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アトリオン

アトリオン_f0081443_21365258.jpg 秋田市のアトリオンでは、秋田県美術工芸協会会長・林美光さんの「秋田黄金郷 金銀同杢目金展」が25日(土)まで、開かれています。金銀銅杢目金(きんぎんどうもくめがね)を日本で唯一人、300年の時を超えて蘇らせた林さんの、渾身の光の世界を堪能してきました。(写真・アトリオン2階、第2展示室入口のポスター)

 昨年は仙北市角館に常設展示館を開設し、さらに70歳を超えた今でも創作意欲を燃やし続けている林さんの最新作に、会場では感嘆の声が聞かれました。金、銀、ステンレス等、多彩な金属素材に取り組んで創作している伝統工芸界の第一人者ですから、後輩の指導を含めて、一層のご活躍を期待しています。

 ところで、会場となっているアトリオン(秋田総合生活文化会館・美術館)は秋田駅前に近く、中央街区活性化の起爆剤として、平成元年にオープンしています。音楽ホールや常設美術館、県産品の展示即売場、民間のオフィスが入居するなど、官民複合の新しいスタイルの公共施設です。特に1階には県内市町村を紹介するコーナーもあり、県外から来秋したお客さんを案内する場所でもありました。

 しかしながら、今年の3月末で市町村コーナーは閉鎖され、8月には仲小路の玄関脇にあったテナントの書店も閉店し、寂しい限りです。せめて、行政が運営していたコーナーだけでも継続できなかったものかと思います。同コーナーでは現在、竿灯祭りのフォトコンテスト入賞作品展が行われていましたが、部屋のレイアウトや装飾は以前のまま。壁には旧町村名が表示されていたり、なにも陳列されていない棚があったりして、雰囲気はガッカリです。ビルの管理者や関係してきた役所は、こんな状況でいいと思っているのでしょうか。

 年々、入館者や利用者が減少しているとのことですから、同じような発想で近くにある旧日赤跡地などの再開発を進めるのであれば、とても中央街区の賑わいを取り戻すことにはなりませんね。とりあえず今は、既存の施設を最大限に活かす知恵を絞ることに、全力を傾注しましょう。例えば、角館で大人気となっている「ジブリの絵職人 男鹿和雄展」を誘致するとか、行列のできる企画を考えていただきたいものです。

 もっとも、男鹿さんが描いた「日本の原風景」の常設展示場を、「秋田内陸線の沿線に設置したらいいのでは」と、前秋田公立美術工芸短大学長・石川好先生が秋田魁新報に書いていましたから、要は「行動するのか、しないか」です。

 私は明日、角館に行くことになりましたので、必ず平福記念美術館に寄って「ジブリの絵職人 男鹿和雄展」を見たいと思っています。

# by shouichiro_sato | 2008-10-22 20:03 | 秋田県 | Comments(0)  

秋田の可能性

秋田の可能性_f0081443_18522735.jpg 「秋田さきがけ友の会・秋田広告協会」が主催する秋の講演会に申し込み、きょうの午後、聴講してきました。講師は㈱東京商工リサーチ顧問・荒谷紘毅(あらやひろたけ)さん、テーマは「地域再生の視点と方法」です。

 大館市(旧比内町)出身の荒谷さんは、同社の役員を退任後に秋田市御所野に定住し、秋田魁新報の「月曜論壇」の執筆者として、毎回、豊富な経験で裏打ちされた鋭い視点で秋田県の課題を指摘されたり、秋田を変える人材育成を目指す「秋田人変身力会議」の会長として注目されていますので、お話を聞くのを楽しみにしておりました。
 (写真・分かりやすい話し方で聴衆を魅了する荒谷さん。秋田市山王のシャインプラザ平安閣)
 
 冒頭、荒谷さんは昨年末頃まで続いた史上最長といわれる「平成景気」の実態について、経済成長率が年平均1%(秋田は0.4%)。完全失業率は今年8月で4.2%(秋田は4.4%)となり、2年2ヶ月ぶりの高水準に。失業者は257万人、さらにフリーターや派遣労働者といった不安定な雇用関係にある人が約500万人。企業倒産も昨年は全国で14,091件(秋田県は113件で前年度比18.9%増)もある・・・・など、年平均で18%も経済成長した1965~70年の「いざなぎ景気」とは全く違う、厳しい状況を紹介。

 その背景には冷戦後のアメリカの戦略、即ち「アメリカが日本の(法人や個人がもっている)金融資産を手に入れる」ための戦略があり、これらの状況は「日米構造改革で起こったこと」だと、カーター政権当時に行われた航空法自由化(1978年)以後の日本国内の動きを提示して、詳しく分析していました。

 そもそも地方は、都市への人材と食糧、エネルギーの供給源としての存在意義がありました。しかし、日本が経済発展を遂げるとともに急速なグローバル化が進み、食糧は外国に依存し、人材さえも中国やインドなどの外国人が先端技術の産業に進出しているのが現実ですから、地方の地盤沈下は進みました。そのドン底から、いかにしてに脱出するのか。

 荒谷さんはその対応策として、「農林水産業の振興・観光開発・人材育成」を挙げています。やはり地方が生き残る、再生のポイントは農林水産業や地場産業、地域の特性を活かした潜在力にあるというのです。

 秋田の可能性も、少子化ゆえの育児環境や教育環境の充実は、「育む秋田」の優位性であること。企業誘致や起業・ベンチャー育成は困難でも、公務員の天下りを廃止すればまだまだ職場の確保が可能であり、知恵を絞って若い人が「働く秋田」にするべきだ。さらに、首都圏に20万人もいる秋田県出身者が、やがて秋田に帰れる環境整備とPRを積極的に行う。特に団塊の世代はお金や人脈・スキルもあり、秋田をそうした世代におけるアメリカのサンシティーにして、「癒す秋田」にしよう・・・・・・・と、呼びかけました。

 そして、これからは国際化でM&A(企業の合併と買収)が活発化し、移民の受け入れが進むこと。環境問題でコストがアップするものの、自然エネルギーやエコ産業のなどに新ビジネスの可能性があること。高齢化による団塊世代の意識と行動が社会を大きく動かす力となる、いわゆる「新たな3K時代」になると述べていました。

 それ故に、金融資本主義の限界は今までの価値観を転換させることから、新しい世界のルール創りが進み、資本の暴走を抑止した新しい経済モデルが求められるだろう。その先鞭をきるのが秋田だと、結んでいます。

 最先端で経済や地域の現実を直視してきた荒谷さんのお話は、説得力のあるものでした。「公務員が再就職することは職業選択の自由であり、規制することはできない。しかし、天下りしている企業とは取引(契約)をしないことは可能だ。これから知事候補になる人には、そうした問いかけもしてみたい」という話もあり、私もマニフェストの参考にさせていただきます。

# by shouichiro_sato | 2008-10-21 16:52 | 秋田県 | Comments(1)  

パフォーマンス

 麻生首相は19日の日曜日、東京・西早稲田のスーパーを視察したあと、JR高田馬場駅前で客待ちしていたタクシー運転手と話をするなど、庶民の暮らしに関心があるところをPRしました。新聞によると、記者団には「物価高や品切れの話などが現実にどうなっているのか関心があった」と述べたということです。

 新聞各紙は毎日、「首相の一日」のコーナーを設けて、麻生首相の一日の動静を伝えています。一国の首相ですから分刻みのスケジュールで「超多忙」だろうと推測しつつ、どんな人と会ったり、どこへ行ったりするのか、私も興味深く読んでいます。

 ところが先日、ある全国紙は「麻生首相は前任者に比べて、夜の会合?が異常に多い」と分析していました。公式の会合を除いては、家族との食事は有楽町や六本木の有名レストラン。二次会は帝国ホテルやホテルオークラ、ホテルニューオータニなどにある高級会員制クラブにはしごして、秘書官などと懇談。公邸や私邸への帰宅は深夜になることが多いとか。記事では、張り番の記者を煙に巻いて「誰かと会っているのかもしれない」とありましたが、就任直後の小泉さんや安倍さんに比べるとダントツ。まして福田さんは二次会に出かける事はほとんどなかったようですから、麻生さんの行動が目立つことになりました。

 こうした麻生首相の動きをみていると、庶民の感覚とはほど遠い、やっぱり財閥の御曹司。秋葉原のオタクに人気はあるとしても、きょう発表された共同通信の世論調査によれば、国民の人気(支持率)は就任当初のご祝儀相場から、すでに低落の傾向です。

 一方、民主党の小沢代表。19日は東京・原宿でインターネットのトーク番組に出演し、「初恋に破れた」秘話?を紹介したとか。「喉を傷めており、党首討論はできない」と、国会では自民党の申し出を断っていながら、若いタレントの前では「若者に理解ある」ところを演出したようです。しかし、強面の小沢さんにはチョット似合いません。同じ世論調査で、「麻生さんと小沢さんのどちらが首相にふさわしいか?」聞いたところ、麻生さん52・3%、小沢さん27・2%。小沢さんの人気もいま一つ伸び悩んでいます。

 普段はやっていないことを急遽、パフォーマンスしてみたところで、やっぱり可笑しくなってしまいます。解散・総選挙となれば当然、激しい論戦が展開されることでしょうが、今は臨時国会の開会中。まずは国会の場で党首討論を行い、我が国の課題やこれからについての方向を示し、論点を整理すること。そのうえで国民の審判を仰ぐことが重要だと考えます。

 自民党も民主党も、小手先の戦術に右往左往しているようでは、国民の政治不信を払拭することはできません。ここは、パフォーマンスより大事なことがあるはずですよ、ご両人。

# by shouichiro_sato | 2008-10-20 18:37 | 国政・時事 | Comments(0)  

川連塗りフェア

 秋田県を代表する特産品、地場産業である湯沢市川連の「川連塗りフェア」があす20日(月)まで、同市川連にある稲川体育館で開かれています。フェアは県漆器工業組合が主催し、今年で16回目。

 回を重ねるごとに規模も来場者数も増えて賑わいを見せていますが、ことしは6月に発生した岩手・宮城内陸地震の被害で、宮城県や岩手県側の国道が通行止めになっていることから、「チョッと寂しい、売上げも伸びない」(関係者)という声も聞かれました。

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 (写真・日用品として使われるお椀やお盆、重箱、テーブル等とともに、高級家具やインテリア工芸品も会場いっぱいに並べられ、通常の2割引きで即売されています)

 会場から車で10分ほど行くと、「稲庭うどん」の本場である稲庭地区。ここでは先日オープンしたばかりの「佐藤養助総本店」が人気の的。うどん作りの作業を無料で見学できる他、地域の特産品コーナーや観光案内、稲庭うどんの食事もできるとあって、午後3時を過ぎた時間にもかかわらず、店内は行列ができるほどの賑わいでした。

 旧稲川町は「漆器」に「うどん」など、素晴らしい伝統の技を体感できる「匠の郷」です。県南にお出での際は、是非とも立ち寄ってみてください。
 

 《 カメラスケッチ・秋模様 》

 この機会に小安温泉から栗駒方面まで足を伸ばして見ました。きょうは日曜日と好天が重なったことで紅葉見物のお客さんが大勢訪れ、駐車場に入れないほど賑わっていました。

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 (写真・湯沢市皆瀬では水田に播種されたコスモスが満開で、花の海のようです)

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 (写真・小安温泉から先の国道398号・大湯道路は、今が紅葉が見ごろでした)

# by shouichiro_sato | 2008-10-19 20:52 | 産業振興 | Comments(0)  

羽後高校創立60周年

 創立60年を迎えた県立羽後高等学校(校長・近孝夫先生)の記念式典がきょう開かれ、私にも前羽後町長として案内がありましたので、出席してきました。特に同校は、羽後町にある唯一の最高学府であり、「地域とともに」がキャッチフレーズになっているほどですから、記念行事でも特色のある企画がありました。

羽後高校創立60周年_f0081443_21352929.jpg

 式典に続いて行われた記念講演は、同校卒業生でアニメーション映画監督として活躍中の有原誠治さん(羽後町田代出身)が、「ふるさとの風は心の応援歌」と題して、世界平和を目指す自らのアニメ作りを紹介。

 さらに吹奏楽部は、60周年を記念して作曲家・建部知弘氏に委嘱したウインドアンサンブルのための組曲「西馬音内」を演奏。伝統ある西馬音内盆踊りの旋律がこめられた見事な曲に、大きな拍手が送られました。(写真)

 午後2時からの祝賀会では、開会に先立って同校郷土芸能部が西馬音内盆踊りと仙道番楽の「鳥舞」を披露してくれました。昨年の第31回全国高等学校総合文化祭(島根県で開催)で文化連盟賞を受賞している素晴らしい舞台に、感動です。

 祝賀会のアトラクションでは、同校OBの王藤正蔵さん(全国江差追分優勝者)と和賀由里子さん(秋田県内の民謡全国大会、5大会の優勝者)の民謡。伊藤卓雄・遠山清一・佐藤久男さん(ともに羽後町カラオケチャンピオン)の歌、プロで活躍する斎藤智大さん(新舞踊で期待される新人)と岩本公水さん(歌手)らが出演し、これまた楽しいひと時でした。

 同校の校訓は「精進努力」。60周年を契機に、「キラリと光る羽後高校」のさらなる発展を期待したいと思います。「羽ばたこう 新たな時代へ ~伝統の追い風を受けて~」をモットーに、地域を挙げて見んなで支えあうことを誓った一日となりました。

# by shouichiro_sato | 2008-10-18 21:35 | 秋田県 | Comments(0)