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2009年 10月 16日 ( 1 )

 

予算編成

 財務省がきょう発表した2010年度一般会計予算の概算要求総額は、95兆380億円。09年度当初予算を6兆4900億円も上回り、概算要求としては過去最大となりました。

 鳩山首相は先月28日、10年度予算編成に関して麻生前内閣が策定した概算要求基準(シーリング)を撤廃し、「概算要求をゼロベースで見直す」「マニフェストや与党合意をふまえて政策の優先順位を再検討する」ことなどの基本方針を示し、無駄排除と景気刺激策を同時に進めると強調しています。

 しかし、概算要求が大きく膨らんだ要因は「子ども手当の実施」「高校授業料の実質無償化」「農家への戸別所得保障制度の導入」「高速道路料金無料化の社会実験費用」など、衆院選のマニフェストに掲げた政策を盛り込んだためで、公共事業費の削減などに取り組んだものの、結果において「今の予算は水ぶくれだ」と批判してきた前政権の予算規模を、圧縮することはできませんでした。

 さらに要求額とは別枠で、金額を示さない地方交付税の増額などの「事項要求」も各省が計上を求めており、概算要求段階よりも実質的な予算査定の対象は膨らむ可能性があります

 一方、要求を満たす歳入(財源)の確保については方針が示されていません。今年度予算で46兆円を見込む税収は、企業業績の悪化で6兆円近い不足が出るといわれ、(今年度は44兆円の)国債を増額発行しては財政規律が乱れて、再建に逆行してしまいます。かように10年度は09年度よりも財源確保が難しいと思われ、「無駄使いと不要不急の事業を根絶する」としても、補正予算の削減ですら目標の3兆円を達成するのに相当な困難があったくらいですから、今後の査定作業でどれほど切り込むことができるのか。鳩山首相の政治決断が求められる場面も多くなりそうです。

 国の政策(予算)の方向が決まらなければ地方自治体の予算編成もできず、住民に最も身近な現場も混乱してしまいます。大幅な政策の変更にあっては数字が一人歩きすることなく、政策の制度設計も同時に示す必要があります。国会で多数を占める民主党でも、政策実現力が伴なわなければ期待している国民も失望しかねません。

 外交では二酸化炭素の25%削減を公約するなど華々しくデビューした鳩山首相。事業の凍結や諸制度の廃止・見直しを表明する各大臣など、話題が尽きないこの頃ですが、予算編成は新政権にとって最初の試金石。全てはこれからです。

by shouichiro_sato | 2009-10-16 23:30 | 国政・時事 | Comments(0)