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2008年 08月 05日 ( 1 )

 

知事と市長

 きのう(4日)の定例記者会見で寺田知事は、「分権をどのようにするのか議論している中で、お金がないから国で持ってくださいという考え方は時代に逆行している。道州制とか県の問題だからひと言、県に対して何かあってもいいことでしょうし、考えて行動してもらいたい。河川でも直轄事業でも権限と財源が移譲されるよう議論している」と述べ、改めて小畑元・大館市長と斉藤滋宣・能代市長が国道と河川の直轄事業の継続を国などへ要望したことを批判しました。

 事の発端は、日本海沿岸東北自動車道建設促進県北部期成同盟会長の小畑市長と、県北部国道7号整備促進期成同盟会と米代川治水期成同盟会の会長を務める斉藤市長が7月30日、内閣官房や地方分権改革推進委員会を訪ねて、「国道7号と米代川に関する事業を国直轄で継続してほしい」という要望書を提出したこと。それぞれの団体とも今年度の総会を開き、決議に基づいて要請活動をしていました。

 寺田知事は同日、出張先の東京都内のホテルでマスコミの取材に答え、「コメントする気もない。ある面では浅はかだ」と語っていましたから、知事と市長の立場ではこれ程までに考え方や行動することが違うのかと、ビックリしてしまいました。

 両市長は分権の推進は必要だとしながらも、「(政府が国道や一級河川の管理権限を都道府県に移譲するとしても)権限に見合った財源が本当に移譲されるのか。維持費用の捻出が困難になるのでは」という懸念があります。知事の記者会見を受けて小畑市長は、「国の基幹として国全体で管理するものと、地方で管理するものを地方の実情に合わせて検討してほしいという趣旨。住民の生活、安全を確保することが大切だ」(秋田魁新報の記事)と話しています。

 改革推進派の寺田知事は、今までも国と地方の分権には積極的でした。しかし現実は、税源移譲をチラつかせ地方の自立をめざした「三位一体改革」は、地方交付税の大幅な削減で国の財政負担を軽減しただけ。地方は疲弊するばかりです。平成の市町村大合併でも、地方財政が逼迫してきて、アメ玉とされた合併特例債の活用もできない状態。バラ色の合併効果を盛り込んだ振興計画も頓挫している例が多く見られます。ですから、現場で県民(住民)の声を聞いている市町村長にとって、十分な財源が本当に県に移譲されるのか心配なのです。

 ところで、「ひと言、県に対して何かあってもいいことでしょう・・・」という知事の言葉は、どういう意味でしょう。各期成同盟会の総会には当然のことながら、知事にも案内があったはずです。たぶん、地域振興局の局長か建設部長が代理出席しているでしょうから、県が全く知らなかった話ではありません。ともに秋田県の発展をめざす知事と市長でありながら、いみじくも普段の意思疎通が十分でないことを露呈した出来事です。

 「一国二制度」「道州制導入」など市町村長より何歩も前を独走している寺田知事ですが、地方の在り方や分権改革などのついては、各首長ともっと突っ込んだ意見交換をするべきではありませんか。毎年春に行われる全県市町村長会議も形式的になっており、県民との対話の時間を大切にするように、立場を超えて胸襟を開いた議論が必要です。

 記者会見の最後に、新聞記者が「(要望の後に両市長と)何かやりとりはあったのか」と問うと、「何もありません。ご苦労さんとでも言ってやろうかと思った・・・」とは情けない話です。

by shouichiro_sato | 2008-08-05 16:56 | 秋田県 | Comments(0)