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2006年 09月 22日 ( 1 )

 

「連続児童殺人事件」、注目される秋田県警の調査結果

 「これではとても納得できない」、というのが本音でしょう。

 今年春、秋田県藤里町であった連続児童殺人事件で、男児を殺害された父親が、県公安委員会に苦情を申出たことに関して、昨日開かれた県議会教育公安委員会で杵淵智行・県警本部長は、4月の女児の水死を事故の可能性が高いと判断したことについて、「もう少し慎重であるべきだった」としながらも、初動捜査に「ミス」があったかについては言及しませんでした。この捜査がしっかり行われていれば、約1ヵ月後に近くに住む男児が被害に遭うこともなかったと思われ、事件当初の警察の対応が問題になっています。

 所轄署は女児の水死体が発見された翌日の4月11日、遺体に損傷がなく(容疑者が逮捕された後になって頭部に骨折があったと訂正)、着衣の乱れもなかったこと。川原に滑った跡があるとして、遊んでいるうちに誤って川に落ちて流された事故と判断。捜査体制も大幅に縮小し、地域内での十分な聞き込みも行っていませんでした。しかしその後になって、男児を殺害した容疑者が自分の娘も橋の上から突き落としていたことを自供したため、「初動捜査のミスが重なって尊い命が奪われた」と、地域住民や男児の遺族から捜査の在り方に批判が噴出、警察の責任を問う声が高まっています。事実、女児の事件の再捜査に本格的に着手したのも、男児殺害の容疑者を逮捕した後になってからでした。

 そこで確認しておきたいことがあります。警察では様々な事案についての判断はどの段階で行われているのかということです。事案の内容によっては所轄署が独自に判断する場合や、刑事事件ともなれば公訴との関係で検察の判断を仰ぐこともあるでしょう。県警本部長は9月4日の教育公安委員会で、「(責任の所在は)私が誰よりも重く受け止めなければならない」と発言していますが、それは組織上のことでしかありません。(最終的な報告は受けているでしょうが)女児の場合は最初から事故死と判断されたためか、捜査本部が設置されたという報道はありませんでした。しかし、男児の場合は首に絞められた跡があったことから、県警刑事部長を本部長とする県警と所轄署の合同捜査本部が、その日のうちに設置されています。

 このことからしても、「事故」と判断した所轄署の段階に誤りがあったと思われますが、謙虚にそれを認めないのは何故なのか。「ミス」を認めれば遺族にたいして謝罪の必要があり、それでは「警察のメンツにかかわる」という考えが内部にあるとすれば、県警への信頼回復どころか、県民と警察との溝が一層深まってしまうことになるようで心配です。「ミス」の有無を含め、明確に答弁をしない県警本部長の姿勢は、警察組織をかばっているようで、釈然としません。男児の父親の苦情の申出は警察法に基づく制度ですが、回答時期に関する定めはないとか。しかし、国民が警察の対応に不満があった場合に公安委員会に苦情を申し出ることができることによって、警察の一方的な判断にならないようにしているのですから、法の主旨を尊重して、できるだけ早く対応していただきたいと思います。

 ただし、県警への苦情に対する調査をするのが公安委員会の指示を受けて県警自身であるとは、これまた不思議な制度ですから、申出者はもとより県民が納得できる調査結果になるのか、注目したいと思います。 

by shouichiro_sato | 2006-09-22 23:25 | 社会・話題 | Comments(0)