知事の権限?
2008年 12月 26日
寺田知事は「公教育はプライバシーを除いて公開が基本だ」として、「県の成績は公表されているが、市町村が公開されないというのは不合理だ。有益な情報が県民や教員に知らされていないのは残念だ」と、公表の理由を述べています。
しかしながら、教育委員会の判断を越えて知事が独断で公表するのは、情報を持っているからといっても身勝手極まりない行動でしょう。まさに「強権発動」、それも確信犯です。県議会では「ルールを破っても公表した方がいい」と発言したり、公の会合の場で特定の市町村名をあげて「あなたのところは成績が一番いい」と論評するなど、挑発的な言動を繰り返していましたから、「ついにここまで・・・・」きてしまったのかと、驚くばかりです。
県教育委員会も市町村には公表を促してきましたが、情報公開請求に対しては市町村名を伏せて開示するなど慎重に対処していましたし、22日に開かれた全県市町村教育委員長・教育長会議でも、「公表はしない」との声が圧倒的だったとか。にもかかわらず、(県教委の幹部にも事前に知らされていない)突然の知事の発表でした。それだけにきょうの新聞各紙によると、25市町村全ての教育委員会は一斉に反発していました。知事への不信感が増幅しているのも、当然のことでしょう。
今一度、県のホームページで昨日の記者会見の資料を読んでみると、冒頭にチョッと気になる記述がありました。――――「私は、知事就任以来、教育を県政の最重要課題に掲げ、厳しい財政下にあっても、手厚い支援を行ってまいりました。こうした施策の成果について、県民に対し説明することは、県政運営の責任者である私の責務であり、また一層の学力向上を図るためにも、このたび、市町村別の学力調査結果を公表することにいたしました」
ということは、各市町村の学力結果は「寺田県政の教育施策の成果だ」というのでしょうか。
私は、ほんの一部のテスト結果に右往左往することなく、子供たちのもっている様々な可能性を伸ばす教育に期待しています。
by shouichiro_sato | 2008-12-26 23:47 | 秋田県 | Comments(1)