ガソリン価格
2008年 11月 11日
ガソリン価格(以下はレギュラーガソリンです)は、今年の3月末は150円前後でしたが、暫定税率が(一時期)廃止されたことで、4月は1ℓ当たり25円ほど値下がりし、120円台になっていました。
振り返ってみると、昨年末には1バレル100ドル前後で推移していた原油価格がにわかに高騰し、7月3日には145ドルになる異常事態。結果、ガソリン価格も上昇して、7月下旬は180円にもなってしまいました。運送業界や船舶など、燃油を欠かせない業界に与えた影響は甚大で、政府も緊急経済対策を実施しました。
その原油価格が10月25日には1バレル62ドル台まで下落。アメリカから始まった金融市場の混乱が全世界的な景気後退懸念を引き出し、急落しているのです。投機筋によるマネーゲームの崩壊は、庶民にとっては(ガソリン価格の引き下げという)うれしい状況になってきました。これから需要期になる灯油も値下がりしており、我が家でもほっとしています。
ところで、追加経済対策の目玉である「定額給付金」で迷走している政府・与党。4人家族で約6万円程が給付されるというものの、「(世帯の所得が1800万円を超える)高額所得者には辞退してもらいたい」という、ルールもない前代未聞の政策を実行しようとしています。全世帯に配布し、年間所得が1800万円以上に人には「受け取りを辞退してもらいたい」という、「お願い」をしたとしても、辞退する奇特な人はどれほどいることでしょう。
さらに心配なのは、政治家の皆さんの対応です。たぶん、大多数の政治家は「国民が困っているときに、給付金は受け取れない」ということでしょう。しかし、これとて寄付行為を禁じている公職選挙法に抵触しないかという問題も出てきます。こうした現場の懸念に、政府与党はどこまで応えていけるのか、甚だ疑問です。
そう考えると、今はガソリンなどに掛かる暫定税率を廃止し、国民の負担をさらに軽減する方が、2兆円を配布するより効果が大きいような気がします。「霞ヶ関の埋蔵金」があるのなら、なおさら税収不足の補填に向けるべきだと思います。ガソリンが値下がりすれば、「土日の高速道路を1000円にする」よりも、多くの人が行動範囲を広めることができるのではないでしょうか。
中途半端な政策では、なんともなりません。最近の政治は曖昧な政策、パフォーマンスで稼ごうという姿勢が丸見えですね。政府与党は暫定税率廃止を主張した民主党の提案であっても、「飲み込む」ぐらいの気概を持って頑張ってもらいたいものです。
by shouichiro_sato | 2008-11-11 23:51 | 社会・話題 | Comments(1)
