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秋田の可能性

秋田の可能性_f0081443_18522735.jpg 「秋田さきがけ友の会・秋田広告協会」が主催する秋の講演会に申し込み、きょうの午後、聴講してきました。講師は㈱東京商工リサーチ顧問・荒谷紘毅(あらやひろたけ)さん、テーマは「地域再生の視点と方法」です。

 大館市(旧比内町)出身の荒谷さんは、同社の役員を退任後に秋田市御所野に定住し、秋田魁新報の「月曜論壇」の執筆者として、毎回、豊富な経験で裏打ちされた鋭い視点で秋田県の課題を指摘されたり、秋田を変える人材育成を目指す「秋田人変身力会議」の会長として注目されていますので、お話を聞くのを楽しみにしておりました。
 (写真・分かりやすい話し方で聴衆を魅了する荒谷さん。秋田市山王のシャインプラザ平安閣)
 
 冒頭、荒谷さんは昨年末頃まで続いた史上最長といわれる「平成景気」の実態について、経済成長率が年平均1%(秋田は0.4%)。完全失業率は今年8月で4.2%(秋田は4.4%)となり、2年2ヶ月ぶりの高水準に。失業者は257万人、さらにフリーターや派遣労働者といった不安定な雇用関係にある人が約500万人。企業倒産も昨年は全国で14,091件(秋田県は113件で前年度比18.9%増)もある・・・・など、年平均で18%も経済成長した1965~70年の「いざなぎ景気」とは全く違う、厳しい状況を紹介。

 その背景には冷戦後のアメリカの戦略、即ち「アメリカが日本の(法人や個人がもっている)金融資産を手に入れる」ための戦略があり、これらの状況は「日米構造改革で起こったこと」だと、カーター政権当時に行われた航空法自由化(1978年)以後の日本国内の動きを提示して、詳しく分析していました。

 そもそも地方は、都市への人材と食糧、エネルギーの供給源としての存在意義がありました。しかし、日本が経済発展を遂げるとともに急速なグローバル化が進み、食糧は外国に依存し、人材さえも中国やインドなどの外国人が先端技術の産業に進出しているのが現実ですから、地方の地盤沈下は進みました。そのドン底から、いかにしてに脱出するのか。

 荒谷さんはその対応策として、「農林水産業の振興・観光開発・人材育成」を挙げています。やはり地方が生き残る、再生のポイントは農林水産業や地場産業、地域の特性を活かした潜在力にあるというのです。

 秋田の可能性も、少子化ゆえの育児環境や教育環境の充実は、「育む秋田」の優位性であること。企業誘致や起業・ベンチャー育成は困難でも、公務員の天下りを廃止すればまだまだ職場の確保が可能であり、知恵を絞って若い人が「働く秋田」にするべきだ。さらに、首都圏に20万人もいる秋田県出身者が、やがて秋田に帰れる環境整備とPRを積極的に行う。特に団塊の世代はお金や人脈・スキルもあり、秋田をそうした世代におけるアメリカのサンシティーにして、「癒す秋田」にしよう・・・・・・・と、呼びかけました。

 そして、これからは国際化でM&A(企業の合併と買収)が活発化し、移民の受け入れが進むこと。環境問題でコストがアップするものの、自然エネルギーやエコ産業のなどに新ビジネスの可能性があること。高齢化による団塊世代の意識と行動が社会を大きく動かす力となる、いわゆる「新たな3K時代」になると述べていました。

 それ故に、金融資本主義の限界は今までの価値観を転換させることから、新しい世界のルール創りが進み、資本の暴走を抑止した新しい経済モデルが求められるだろう。その先鞭をきるのが秋田だと、結んでいます。

 最先端で経済や地域の現実を直視してきた荒谷さんのお話は、説得力のあるものでした。「公務員が再就職することは職業選択の自由であり、規制することはできない。しかし、天下りしている企業とは取引(契約)をしないことは可能だ。これから知事候補になる人には、そうした問いかけもしてみたい」という話もあり、私もマニフェストの参考にさせていただきます。

by shouichiro_sato | 2008-10-21 16:52 | 秋田県 | Comments(1)  

Commented by もとみどり at 2008-10-21 23:23 x
秋田は変わるのか、秋田を変えるのか。
秋田を含め、地方の活性化に付きまとう問題の一つだと思います。トップダウン方式はボトムアップ方式なのか。結論は出ないはずです。

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