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ノーベル賞

 2008年のノーベル物理学賞は、素粒子物理の「標準理論」と呼ばれる理論体系構築に重要な貢献をしたとして、南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授(87)と、小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授(64)、益川敏英・京都大学名誉教授(68)の3人に授与されることになりました。一つの賞の受賞者の限度となる3人を、日本人が共同受賞し独占したのはもちろん初めてであり、7日夜のニュース速報を見た時には驚くとともに、久々の明るい話題に興奮してしまいました。

 3氏が提案した「対称性の破れ」という概念は、物理を学んだことのない私には全くわかりませんが、南部氏は1960年に理論を提唱し、小林・益川両氏は1973年に論文を発表していたとのこと。南部氏39歳、小林氏29歳、益川氏35歳ですから、素晴らしいものですね。

 発表があった一昨日の夜以来、ご本人の記者会見や奥様へのインタビューから、驚きや喜び、個性ある先生方の性格も伝わってきて、同じ国民として嬉しくなりました。

 そして昨夜は、ノーベル化学賞に生命科学の研究に不可欠なものとなっている緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見者、下村脩・米ボストン大名誉教授(80)ら3人が決まりました。下村氏は渡米中の1961年にオワンクラゲからGFPを発見し、翌年に論文を発表しています。33歳の時の出来事です。

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 (写真・二日続けて、ノーベル賞受賞のニュースが一面トップを飾った秋田魁新報)

 それにしても、受賞の対象になった研究が(偶然にも)先生方の30代前後のこととは驚きです。物理や化学、医学・生理学といった自然科学関連の世界では、若い時代の方が飛躍的な発見に至るチャンスが多いのでしょうか。それだけ頭脳が柔軟なのかもしれませんね。

 柔軟な発想で基礎研究に打ち込んできた受賞者のことを知れば知るほど、こつこつと頑張っているであろう若い研究者や学生の皆さんにも、さらなるエールを送りたいと思います。「近ごろは応用研究が非常に重視されているが、基礎研究がなければ応用もない。日本も将来のためにどんどんやってほしい」という下村氏のコメントに、自信と意欲を持った方も多いことでしょう。

 国民にとっても誇りになる「ノーベル賞」は、日本の子供たちにも大きな夢を与えてくれるに違いありません。4人の先生のノーベル賞、心から受賞をお祝い申し上げます。

by shouichiro_sato | 2008-10-09 22:50 | 社会・話題 | Comments(0)  

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