事故米
2008年 09月 09日
不正転売していたのは三笠フーズ(大阪市)。同社は農林水産省がミニマムアクセス米として輸入していた中国産などの事故米ばかりでなく、大手の総合商社からも大量に購入し、二重帳簿をつくって、取引実態を隠していました。事故米の危険性を認識しながらも焼酎メーカーなどに販売を続け、利ざやを稼いでいたのです。食品の偽装問題で国民の「食の安全・安心」に関心が高まっている中で、またもや消費者を裏切る業者がいたことで、食糧と食品行政に対する不信は募るばかりです。関係機関には徹底的に事件の全貌を解明し、厳しい処分を望みたいと思います。
それにしても、国が輸入しているコメに基準を超える残留農薬が含まれていたとは驚きました。何故、このようなコメの輸入が許されるのでしょうか。今回検出されているのは日本では使用が禁止されていて、中国産ギョウザ事件でも話題になったメタミドホス(中国産のもち米)、発癌物質でダイオキシンの10倍の毒性をもつカビ毒・アフラトキシン(中国・ベトナム・米国産のうるち米)、殺虫剤のアセタミプリド(ベトナム産うるち米)などであり、当然、輸入前に門前払いするべきものでした。国内の農家には生産調整を強いておりながら、海外との約束だからと買っているコメがこんな状態では、「一体、国は何をやっているんだ」と憤慨せざるを得ません。
さらに、以前から農水省には「不正流通」の告発が寄せられながら、今まで見抜けなかったのは何故なのか。02年以前の記録は破棄されており、恒常的に行われてきたのではないかという疑問もあります。商道徳、倫理観を欠いた「経済至上主義」は、ウソと偽装に包まれた社会をつくって来てしまいましたが、事故米と知りつつ買い続けてきた国がそのコメの行先を「見て見ぬふり」だったとすれば、税金の無駄遣いも甚だしい、重大な問題です。
by shouichiro_sato | 2008-09-09 21:56 | 社会・話題 | Comments(0)