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「激震」

 きのうは「防災の日」でした。1923年(大正12年)の9月1日に起きた関東大震災の教訓を忘れないよう、さらにはこの時期に多い台風などの災害に備えようと1960年(昭和35年)に制定されてから、毎年この日を中心に全国各地で「防災訓練」などが行われています。

 福田首相も1日は、午前8時前から政府の総合防災訓練の閣僚協議。同訓練の緊急災害対策本部会議を行った後、航空自衛隊機で関西空港へ。午後1時から大阪府岸和田市で行われていた「近畿府県合同災害訓練」を視察し、全力を挙げて取り組むことを表明しています。

 「防災の日」が平穏だったのはここまで。帰京して、5時26分に首相官邸へ。それから自民党の麻生幹事長や町村官房長官と会談し、緊急記者会見を設定。そして午後9時30分過ぎ、突然の辞任表明という「激震」が日本列島を駆け巡りました。

 記者会見によれば、辞任の決意を固めたのは先週末。それから2日間、福田首相は誰にも心境を打ち明けることなく、31日も公務をこなしています。福田首相はどんな気持でこの間を過ごしてきたのか、トップの立場にいる人の「孤独」を思うと気の毒な感じもしますが、状況を全く知らなかった国民や政党関係者、経済界から、「無責任だ」との批判が出るのは当然です。

 衆参のネジレ国会の状況は、誰が首相になっても直ぐに変わるものではありません。昨年夏の参議院議員選挙で大敗した与党が、衆議院で3分の2以上の議席を持っているために、数の力で政権を維持してきましたが、安倍・福田両首相とも自分勝手?に、一方的に放棄するという「自滅」です。

 政権運営に行き詰まった結果、小沢氏の無投票当選が確定的な民主党代表選挙が行われる時期に、「自民党総裁選挙に国民の関心を集め、支持率を回復した上で解散・総選挙をしたい」という思惑は見え見え。既に総裁選も麻生氏で決まっている「出来レース」では関心も支持率も上向くとは思われません。自民党には総裁選に費やすエネルギーがあるとすれば、むしろ無投票で麻生氏に決め、即刻「解散・総選挙」で民主党と「わが国のあるべき姿と政策」について激論を交わし、国民の信を問う方が、国民の関心を集めるのではないでしょうか。

 国民生活を直撃している年金や医療、原油高、経済の問題に速急な対策が必要な時に、党利党略の駆け引きに終始していては、ますます政治不信が高まります。昨夜の「激震」は誰も予知できませんでしたが、これからの「災害復旧」への対応については、被災者の救援が第一。政治の混迷に翻弄されている「国民の生活」を忘れてはなりません。

by shouichiro_sato | 2008-09-02 22:12 | 国政・時事 | Comments(1)  

Commented by ドラ猫 at 2008-09-03 00:50 x
麻生氏が幹事長を引き受けたのさえ個人っ的には、デキレースのような気がしてならないのです。

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