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肥料原料が急騰

f0081443_865144.jpg 家のポストに一枚のチラシあり。「肥料原料の海外相場が急騰しています!」という、こまち農協営農部生産資材課が今月10日付で発行したお知らせでしたが、私には「日本農業の存亡に関わる」と思えるほどショッキングな内容であり、驚きました。何んと、普段使っている肥料の価格が平均で49.5%も値上げになる通知です。
(写真・チラシの一部です)
 
 まずは参考までに、チラシにある「肥料価格交渉の経過と結果」の全文を紹介します。

 ○ 肥料原料の価格高騰を受け、メーカー各社からは大幅な値上げ要求があり、価格交渉を重ねた結果、4月~6月期中の改定値上げを余儀なくされました。
 しかし、全農では肥料協同購入積立金を取り崩して、農家への供給価格の値上りを回避し、平成20年産米の春肥料等に影響を与えない措置を取りました。

 ○ 世界的な資源争奪の様相が強まる中、全農は年間必要量を確保するため、原料産地の多元化にも着手してまいりました。
 原料高騰と需要逼迫が継続する中、メーカー各社からは品目別に40%~80%増の要求が出されましたが、今回の価格交渉においても全農は「農家への安定供給」を最重点として臨みました。
 しかし、肥料原料すべての価格が史上最高値を更新しており、安定供給を維持するためには、諸外国並みに肥料価格を値上げせざるを得ない状況となってしまいましたが、農家予約制度の維持と安定供給を前提として交渉した結果、加重平均49.5%の値上げ幅での妥結となりました。


 新聞報道などで肥料価格が上昇することは知っていましたが、いよいよ現実のものとなってきました。原油価格の高騰でガソリンや軽油、灯油などの燃料が値上りしているなかで、さらに肥料価格が値上げになれば、農家にとっては痛烈なダブルパンチです。

 米作農家や疲弊する農村の不満は昨年の参議院議員選挙でも爆発しましたが、その時以上に現実は厳しいものになってきました。生産したコメや野菜は国際価格より高いとして市場でたたかれて価格は低迷し、外国から輸入したエネルギーや肥料に依存する規模拡大とコスト縮減を生産者に求めてきた日本農業は、世界的な資源需要の動向に対応できる手段もなく、政策の基盤が崩壊しつつあります。所得が確保できずに経営が成り立たない農業の現場からは当然、担い手がいなくなり、その結果として今でさえ39%に低下しているわが国の自給率は、さらに低くなることでしょう。これは農家・農業の問題というよりも、自立した国として「これでいいのか?」という課題でもあります。

 日本人があこがれるアメリカやフランスは、それぞれの国民が誇る農業国です。自国の食料をまず確保すること、自給することは最大の国内政策であるはずなのに、「経済大国」のウヌボレ?で足元をおろそかにしてきた日本は、大変な事態になってきました。官僚や政治家は今までの政策との整合性を重視するあまり、大胆な政策転換には及び腰ですが、世界的に関心が高まっている地球環境を守るためにも、地域農業の再生は待ったなしです。

 ところで、今夜からあす15日にかけて、燃料価格高騰による窮状を訴えるために全国の漁船20万隻が出漁を取りやめ、一斉休漁します。漁船の燃料である重油は、5年前に比べて約3倍近くも高騰しているとのこと。漁業関係者からは、「とても漁などできない」という悲鳴があがっています。豊富な食品があふれていると思われる日本の食卓ですが、その食を支える肝心要の農業も漁業も、現実はこの通り。底板のフシが抜け、水が入り込んでいる状況です。

by shouichiro_sato | 2008-07-14 22:42 | 産業振興 | Comments(0)  

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