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西長野小の校舎

 国道46号線を大仙市協和から仙北市角館町に入ると、程なく右側に独特のデザインによる建造物が見えてきます。外観が外国の神殿のようで、秋田市にある体育館と似ていることから「ハハ~ン」と思い出す方も多いことでしょう。この建物は1992年に建築された旧角館町立西長野小学校。設計は仙北市角館町出身の建築家・渡辺豊和氏の主宰する渡辺豊和建築工房(大阪府)。当時、渡辺氏は京都造形芸術大学教授で、1994年に完成した秋田市立体育館も設計しています。

 近くを通るたびに気になっていたのですが、4月からは市内の他小学校と統合したために、3月末で132年の歴史に幕を下ろしたことを知り、先日、訪ねてみました。校庭でグランドゴルフをしていた地域の皆さんから話を聞くと、素晴らしい建物は西長野地区の「交流センター」として再利用されるとのこと。閉校と聞いただけで、「校舎がもったいない」と思っていた私はホッとしたものの、それでも「これだけの大きな施設を有効利用できるだろうか」と、市民でもないのにおせっかいな心配をしてしまいました。

西長野小の校舎_f0081443_2056018.jpg というのは、この校舎は県出身の著名な建築家による設計で、建物自体が芸術的な要素に満ち溢れているからです。それこそ、体育館や教室の部屋数も多く備わっていて、芸術家達の常設展示場やアトリエとして利用できないものか。文化の香り高い角館の新しい魅力となりそうで、私は校舎を前にしてワクワクするものを感じました。 (写真・建築されてから15年しか経っていない西長野小校舎の正面入口)

 昨今、秋田市中央街区の再開発に関して美術館の移転問題が話題になっていましたが、地域にあるこうした資源を有効活用することも大切です。地域の皆さんの交流センターであると同時に、県内外の皆さんとも交流ができるような芸術の拠点にしたいものだと思いました。

by shouichiro_sato | 2008-05-06 21:25 | 秋田県 | Comments(0)  

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