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郊外の大型店

 秋田市御所野・イオンモール秋田にある百貨店、「中三秋田店」が今年10月に閉店されることになりました。同モールは秋田県内最大の市街地郊外型・商業施設であり、駐車場はいつも満車の状態でしたから、店舗面積1万3500平方メートルで1997年10月に開店した秋田店が、「開店以来、一度も黒字にならなかった」とは、驚きました。業績が悪化し改善の見込みがないとすれば、郊外の大型店でも「苦渋の判断」を迫られる厳しい現実です。

郊外の大型店_f0081443_22191950.jpg 一方、昨日の秋田魁新報・朝刊は、県内で郊外型大型店が今春以降、次々にオープン予定であると伝えています。大型商業施設の郊外立地を原則禁止する改正都市計画法が昨年11月に施行され、それ以前に出店届を提出していた大型店(13店)の建設工事が進んでいるためです。

 中でも、大仙市和合の国道13号沿いには県南最大の店舗面積(3万9308平方メートル)をもつ「イオン大曲ショッピングセンター」。北秋田市栄地区には「イオンタウンたかのす」(1万4133平方メートル)と「たかのすモール」(8163平方メートル)が、隣りあわせで工事中です。他にも、湯沢市山田地区では「イオン新湯沢ショッピングセンター」(1万7436平方メートル)の敷地造成工事が行われています。(写真・秋田魁新報11日の経済面には「郊外へ出店ラッシュ」、12日は1面トップに「中三秋田店閉店」の記事が掲載されました)

 こうした動きは既存の大型店にとって「どんな影響が出てくるのか」、心配なところです。横手市の横手インターチェンジ近くの大型店エリアや十文字地区の店舗集積地。大仙市中仙の大型店。大館市郊外の大型店などでは、お客さんの争奪戦が激しくなることでしょう。

 ところで、話題になった能代市への「イオン出店の行方」が注目されています。出店の賛否を問う住民投票条例の制定を求める市民運動まで行われ、議会が否決したことで農振地域除外などの行政手続きが終わったと思っていましたが、イオンサイドからの建設に向けたその後のアプローチが、全く無い模様です。むしろ最近は、「水田に作付けをしてもいい」「地盤が軟弱だ」「地権者とは仮契約しかしていない」等々、出店が後退しているように思われる印象のニュースが聞こえてきます。流通業界を取りまく環境の変化が背景にあるようですが、大型店同士が「共食いし、潰しあう」ような戦略は、秋田県ではもう終わりにしましょう。 

by shouichiro_sato | 2008-04-12 23:28 | 社会・話題 | Comments(0)  

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