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特定財源の役目は終了

 きのう行われた党首討論で、福田首相は道路特定財源を2009年度から一般財源化する方針を重ねて強調しました。それを受けて政府・与党は11日にも「正式合意」とする方針です。

 私は一人のユーザーとして、特定財源の目的を達成したのであれば暫定税率や当該税制そのものを廃止するのが筋だと考えますが、財源確保のために新たな税の創設や消費税の増税は厳しいこと。二酸化炭素削減を目指す地球規模の課題に対して、世界の趨勢はガソリンなどに関わる税が一般財源となっていることから、止むを得ないかも知れません。

 しかしながら、地方にとって道路整備はまだまだ必要なところもあり、一般財源になっても必要な道路予算は確保されるよう、強く要望しておきたいと思います。無駄を省き、効率的な予算執行で成果を挙げてほしいことは、言うまでもありません。

 そう考えると、あまりにも国民感覚からずれているズサンな経費の実態が続出しており、呆れてしまいました。私は国の道路整備に関わる職員のために必要な予算を、特定財源を含む会計から支出することは、理解できます。ただし、外郭団体にまでバラ撒いて職員の慰安旅行?に充てるなどは、言語道断。「本当に必要なの?」と思える公益法人(団体)も多くあり、職員の天下りのためにあるようでは、国民の怒りが爆発するのも当然でしょう。

 さらに、無駄づかい?と思われる事例がまた明らかになりました。国土交通省関東地方整備局の職員が平成19年度に深夜帰宅用のタクシー券を、出勤日のほぼ毎日にあたる190回、総額500万円分も使っていたというのです。1日平均の残業時間が1.3時間だったにもかかわらず、「(国会の資料作成のために)実際は自分の意思で、毎日午前2、3時まで仕事をしていた。退庁記録も残っている」と、説明しているとか。さいたま市にある勤務先と神奈川県に近い都下の自宅まで、片道2万6千円のタクシー代がかかったといいます。こんなに経費がかかるのであれば、近くの公務員宿舎に入居させるべきでした。そうしたことを「当たり前」と、見逃してきた体制も問題です。全国8地方整備局が使ったタクシー券のうち、金額の大きかった上位10人に関東地方整備局の道路部職員が9人もいたとは、驚きました。

 公金の管理や効率的な執行について、政府も官公庁もしっかり自覚して取り組まないと、国民の不信はさらに高まってきます。市町村の事務執行能力を問う前に、本来は模範となるべき国の機関がこの体たらくでは、特定財源の必要性をいくら説いたところで、説得力がありません。ガソリン税などの財源を「道路に特定」する役目は終わったと、認識するべきでしょう。

by shouichiro_sato | 2008-04-10 22:06 | 国政・時事 | Comments(0)  

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