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公開講演会

 秋田県議会農業議員の会、(社)秋田経済同友会、秋田魁新報社が主催する公開講演会がきょう午前、秋田キャッスルホテルで開かれました。テーマは「激変する世界の食糧事情と日本農業」、講師は農林中金総合研究所の主任研究員・阮蔚(ルアン・ウェイ)さんです。

 講演のポイントを紹介すると・・・・・・・ ①「激変する世界の食糧事情」 約30年間安定していた穀物価格が、ここにきて高騰してきた。アメリカではトウモロコシの生産を不安定な輸出依存から方向転換し、バイオエタノールの原料にすることで新たな需要を創出した。中国が大豆の輸出国から輸入国に変わった背景にはブラジルの穀物生産の拡大がある。日本や中国などのアジア諸国は南・北アメリカ大陸への依存度を高めているが、生産拡大には限界がある。

 ②「日本農業・秋田県農業にとっての課題とチャンス」 コメの新しい需要創出が必要だ。例えば、小麦の年間輸入量の10%をコメ粉で代替してパンやお菓子類を作れば、コメ生産量の8%にあたる50万トンの需要が生まれる。生産調整を続けて耕作放棄地を増やすより、一石三鳥の効果があるだろう。グローバル化が進む中で、農業の競争も激しくなるが、アジア諸国では生産規模の拡大には限界があり、日本でも生産を確保するための所得支持政策が必要だ。

公開講演会_f0081443_2311999.jpg 世界の動向を聞いてみると、自給率が低下しているにもかかわらず、生産調整を拡大して耕作放棄地を増やしている日本のあり方に、大きな疑問を感じます。アメリカのブッシュ大統領は2006年4月25日にワシントンで行ったエネルギー政策に関する演説で、「農業が強ければ、アメリカは強い」と述べたそうですが、わが国も強い農業の構築に向けて、海外依存でない方策に方向転換するべきだと、強く感じた講演会でした。 (写真・農家や農業団体関係者、農業高校の生徒など400人を超す参加者が集まり、秋田キャッスルホテル・矢留の間は超満員。データを基にした明快なお話であり、時間が足りないと思ったほどでした。)

by shouichiro_sato | 2008-03-22 23:30 | 国政・時事 | Comments(0)  

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