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「しょっつる」

 日本の伝統的調味料である「醤油」や「味噌」の自給率は、0%に近いといわれている。原料になる大豆は、ほとんどがアメリカやカナダなどからの輸入品。いつの間にか大量生産・大量販売の流れができて、地域の醸造所の企業合同が進められ、与えられた原料を加工するだけの業者になってしまった。「本物をつくる」という姿勢が無くなってしまえば、おのずと「食文化」もなくなってしまうと思う・・・・・・。そう語る、男鹿市の醤油と味噌の醸造会社・諸井醸造所の3代目社長、諸井秀樹さんのお話に引き込まれてしまいました。

f0081443_20312593.jpg 秋田市の企業経営者有志が組織している異業種交流会「槻(つきのき)」の月例会が11日に行われ、スローフード秋田のメンバーである諸井さんが、人気沸騰中の魚醤油「しょっつる」が誕生するまでの裏話?を紹介しました。(写真・2007年5月にイタリアで開催された国際会議「テッラーマードレ」でのプレゼンティーションを紹介する諸井さん。秋田市大町の第一会館本館で)

 諸井さんは男鹿市船川港で育ち、東京農大で醸造学を学んで帰郷。当時は店の前の船川港でもハタハタの水揚げはけっこうあったといいます。しかしながら、漁獲量はいっきに減少し、平成になると「幻の魚」に。当然、県内で生産されていた「しょっつる」も少なくなり、原料もイワシなどに変わっていきました。

 「今、しょっつるを残さなければ、秋田のハタハタ食文化は守れなくなる。究極のしょっつるの原材料は、やっぱり白身魚のハタハタ以外に見当たらない。資源が復活してきた新鮮なハタハタを仕込み樽に入れて天然塩で漬け込み、3年以上かけてゆっくり発酵させる。伝統的技法を伝承しながら、現代人の多様な食生活にマッチした天然調味料が完成したのです」

 お洒落なビンに入った琥珀色のハタハタしょっつるは、都内のデパートや専門店でも売られるようになっています。いつでも食卓において置き、鍋料理などに一滴入れると、それだけでまろやかな風味が醸しだされ、深い味わいになると評判です。

 諸井さん曰く、「このプロジェクトにはデザイナーをはじめ、消費者や調理師など秋田県内の8人の協力がありました。何を作れば売れるのか、どういうデザインなら売れるのか。必ずヒントはあるはずだ、との想いで挑戦してきました」とのこと。まさに、異業種交流の成果です。

 秋田県で初めて「味の箱舟(アルカ)」に認定された商品は、これから世界の市場で注目されそうです。さらに、食を通して男鹿観光の魅力を復興する動きにも発展しています。

by shouichiro_sato | 2008-03-13 21:14 | 産業振興 | Comments(0)  

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