臨時国会に幕
2008年 01月 15日
自民党の総裁選挙では福田氏が圧勝し、内閣総理大臣に就任。最大の焦点だったインド洋での自衛隊による給油活動は、期限切れ。政府は会期を延長して新テロ対策特別措置法に全力投球し、参議院で否決されたものの、衆議院が(憲法59条第2項による)再可決して成立しています。ただし、参院選で民主党が公約した農家の所得保障に関する法案などは参院で可決されて衆院へ送られたものの、継続審議となる見込みです。
会期中には自民・民主両党の大連立構想が表ざたになったり、民主党の小沢代表も辞意を表明(後日に撤回)するなど、国会審議の外側でも与野党ともに「バタバタ」した臨時国会でした。せめてもの救いは、薬害C型肝炎の被害者を救済する法案が与野党の全会一致で可決されたこと。福田首相が「議員立法で救済」を決断した後は、スピード感のある対応で国民を安心させてくれました。
臨時国会が閉会したとしても、3日後の18日(金)からは通常国会が召集されます。すでに焦点となっている予算関連法案をめぐっては、前哨戦が始まっています。特に道路特定財源である揮発油税の暫定税率を廃止する民主党案への対応が注目の的。このところガソリンの値上がりが国民生活を直撃しているだけに、暫定税率が無くなればガソリン代が1リットル当たり25円も下がるため、テロ対策などとは比較にならないほど国民の関心も高くなってくるでしょう。
歳入に関する(日切れ法案の)租税特別措置は約100項目もあるそうですから、万が一にもこうした法案が3月31日までに可決されなければ、「ガソリン買い付け騒ぎや株価暴落、輸入品高騰など消費者を直撃する4月パニックが現実味を帯びてくる」と、1月8日付の産経新聞は報じています。早期解散に追い込むために、パニック覚悟で法案の成立阻止を貫くのか。それとも混乱回避のために与野党が話し合って合意するのか。日切れ法案は1月中に衆院を通過させ、参院送付後60日間で否決とする「みなし否決」規定で衆院の再議決に持ち込むのか。今月末までの攻防が最初の山場でしょう。
11日に羽後町の新春祝賀会で講演した政治ジャーナリスト・河崎曽一郎さんは「新年度予算を成立させ、サミットで議長国の役目を果たす。夏には東京都議会議員選挙もあり、解散は早くても秋以降だろう。ただし、不測の事態?が起きないとも限らない。福田内閣の支持率が低下して30%を割り込み、不支持が過半数を超えるようだと政権は持たなくなる。その場合でも総裁選びが先。新しい顔でなければ総選挙は戦えない」と話しておりましたが・・・・・。
株価の下落が始まり2年前の水準に戻ってしまい、上向きかけた経済の先行きにも不安要素が感じられる昨今、政治も混迷の度合いを濃くしています。挨拶やインタビューでも他人事のような感じに聞こえる福田首相のお話も、国民には分かりにくいですね。まづは、「生活者重視」に視点を置くとする通常国会での施政方針演説に注目しましょう。
by shouichiro_sato | 2008-01-15 15:49 | 国政・時事 | Comments(0)