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ワーキングプア

 今夜のNHKスペシャルは「ワーキングプアⅢ・解決への道」。働く意志があっても仕事に就くことができず、貧困生活を余儀なくされている人々(社会)の問題を提起した番組です。

 日本と同じように市場中心の競争を重視するアメリカや韓国でも、非正規雇用の問題が拡がっており、低賃金で暮らしが成り立たない人々が増えています。番組ではそうした国々の状況と取り組みについても紹介していましたが、それでも気になるのは日本の現実です。

 昨年に放送された時、東京都内でゴミ箱から古雑誌などを集めて暮らしていた35歳の男性は、市から委託されて歩道の清掃業務に就いていました。しかし、日当は7,000円。食事や銭湯など、ようやく満足できるようになってきたというものの、住む家はなくて高架道路下のダンボール箱で寝ています。就職活動で面接に行っても、住所が不定だったり身元保証人がいないために、結局は断られてしまうといいます。華やかなイルミネーションが街を照らしている時に、健康で意欲のある若者たちが途方にくれているとすれば、「景気は回復している」「豊かになった」などと喜んでいられない問題です。

 一方、先日にNHKで放送された「地域発・どうする日本」では、地方と東京都の有効求人倍率に大きな差があることを取り上げていました。秋田県などは全国一低くて0.6倍。逆に東京は6.0倍と、なんと10倍以上の差がありました。働く場を求めて若者たちが再び都市に集中し、地方の過疎化に拍車をかけています。地方の自立や活性化が叫ばれてから相当の時間が経っているのに、都市と地方の格差は拡がるばかり。まちづくりの投資に失敗して膨大な債務をかかえ、崩壊する自治体もでてきていますから、深刻な事態です。

 市場経済が優先される昨今、「社会の歪(ひずみ)」は拡大しています。

by shouichiro_sato | 2007-12-16 23:28 | 国政・時事 | Comments(0)  

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