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バイオ燃料

 自家用車の燃料が軽油からガソリンに代わって1週間が過ぎ、あらためてガソリンの値段の高さに驚いています。これからも値上がりするようですから、大変です。

 そんな思いをしていたときに、18日(日)の朝日新聞秋田県版に注目すべき記事がありました。秋田県の「菜の花バイオエネルギーチーム」によると、県内の年間ガソリン消費量は52万キロリットルで、その35%ほどに相当するバイオエタノールを県内で生産できる可能性があるというのです。その原料は米産県の副産物である「稲ワラ」と「もみがら」です。

 17日に県庁第2庁舎で開かれた講演会で、東京大学の森田茂樹教授らは「イネを原料にしたバイオエタノール生産を実用化し、二酸化炭素の排出量を抑えて水田を保全し、新たな雇用も生まれて農村振興になる」「コメは日本で完全に自給できる食料だ。余っている水田や休耕田を使わない手はない」と強調したことを伝えています。

 確かに、昨今のニュースでは米国やブラジルなどではトウモロコシや大豆などの穀物を原料にしたバイオエタノールの生産が拡大し、穀物価格が上昇していることが報じられています。さらには将来の食料争奪に備えて、三井物産がブラジルで農業生産に参入することも発表されました。中国や新興国が世界のエネルギーや食料を買い付ける量はますます拡大するでしょうから、わが国にあっても国内生産できるのもは国内で確保する必要性が高まってくるのは当然です。

 基盤整備された水田がありながらコメの生産調整をすすめ、他方では担い手がいなくなって耕作放棄地が増えていくのは、資源小国日本にとっては実に「もったいない」話です。生産コストの課題はあるにしろ、「イネからバイオエタノールを作って、自動車の燃料に使おう」という秋田県のプロジェクト、大いに期待したいものです。

 かつては地下資源の宝庫だった秋田県が、21世紀はリサイクルによる資源再生とバイオエネルギーの先進県になる夢、是非とも実現したいですね。

by shouichiro_sato | 2007-11-19 23:54 | 産業振興 | Comments(0)  

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