偽装発覚から一週間
2007年 10月 26日
(10月15日 大館保険所に匿名の電話あり。翌16日から県が調査を開始。会社は17日から製造を中止して、回収を始める)
20日夜 県が緊急に記者会見を行なって、「比内地鶏」の偽装があったことを発表。社長はマスコミの取材に対して「自社の偽装を知ったのは9月末。社内調査でわかった」という。
21日 スーパーや小売店は同社商品を撤去。風評被害の心配が広がる。元社員は「25年ほど前の発売当初から、一般の鶏肉を使っていた」と証言。
22日 寺田知事が定例記者会見で「許されない行為だ」と厳しく非難。県庁に問題の全容解明と消費者の信用回復を図るための対策本部を設置。「卵を産まなくなった廃鶏を原材料にしていた」「賞味期限も改ざんしていた」と会社幹部が発表。「燻製以外の商品でも比内地鶏の肉や卵は使われていない」「昨日から社長とは連絡が取れない」とも。
23日 大館市内の団体・企業と市などで「比内地鶏ブランドを守る緊急対策本部」が発足。県に情報が寄せられた他業者1社についても調査を実施したが、問題なし。
24日 県は比内地鶏を扱っている県内の加工会社5社を調査。結果は「偽装の問題なし」。
「比内地鶏の確認書」を県が発行することに。認証制度も一ヶ月以内に創設すると発表。
(夕方になって)行方不明だった社長が記者会見し「今までさまよっていたが死にきれなかった。廃鶏の使用は自分が指示していたが、偽装の認識はなかった。会社は残したい」。
25日 県が「確認書発行」の事務を開始。加工業者には戸惑いの声も出る。
26日 知事が三越本店を訪れ、信頼回復への取り組みを伝える。県に情報が寄せられた他社の調査では、「偽装表示はなかった」と発表。
「きりたんぽ」等の鍋物の季節を迎え、贈答品などで最も需要が高まる時期に発覚した「比内地鶏」偽装表示問題は、風評被害を含めて比内地鶏商品への消費者の疑念を招く事態になってしまいました。生産者や加工業者などがようやく築いてきた「地域ブランド」の信頼を回復するためには、「他の業者にはそうした偽装が無いこと」「生肉を含めた商品が比内地鶏であると証明すること」などについて、徹底した調査とシステムの構築をしなければなりません。こうなれば、そうした取り組み(過程も含めて)の情報開示を積極的に行い、実績をアッピールすることで消費者や食肉業界の関心を高めることも可能になるでしょう。
「豪雨災害」に続いて「信用失墜」。比内地鶏にとっては災難が重なってしまった状況ですが、ここは官民挙げて英知を結集し、この難局を乗り越えていきましょう。
by shouichiro_sato | 2007-10-26 23:20 | 産業振興 | Comments(0)