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トヨタの新工場を秋田に

 トヨタ自動車が新しい工場を建設することになり、その候補地として宮城県仙台市近郊にある工業団地が有力視されています。

 14日付の秋田魁新報・夕刊やきょうの同紙朝刊・社説によると、平成22年前後の稼動を目指して、神奈川県相模原市にあるトヨタの生産子会社、セントラル自動車の本社工場を移転させる計画とか。年間の生産能力は当初で10万台規模。投資額は500億円程度を見込むものの、市場の環境次第では生産能力をさらに引き上げ、投資額も1千億円程度まで膨らむ可能性があるようです。

 トヨタグループでは平成5年9月に、関東自動車工業が岩手県金ヶ崎町で車体組立て工場を操業させ、16年秋には同工場の生産能力を15万台から30万台に引き上げる方針を発表しています。新工場の建設は本拠地の中部圏域と九州に続いて東北に生産拠点を作ることでもあり、秋田県としては低迷する県勢の浮揚のために、産業構造を転換させるチャンスとしたいものです。

 ところで、建設予定地は部品調達先などの生産環境が整っている宮城県が有力という報道ですが、ロシア極東地域や北東アジアとの将来の販売戦略を考えた場合、秋田港が物流拠点になりうること。地震などの災害の可能性が低いこと。電子・デバイス関連業の集積があり、リサイクル技術も最先端の実績があることを考えると、わが秋田県も「新しい時代の自動車工場」の最適地として積極的な誘致運動をしていいのではないかと思います。

 既に候補地選定のために事前調査が行なわれており、秋田県が選考に漏れたのであれば「何を今さら」という話になるでしょうが、岩手県に隣接する横手市の広大な工業団地は遊休地になっており、「巻き返す」ことは不可能でしょうか。

 目前に迫った「秋田わか杉国体」に向けて県内では高速道路が相次いで開通するなど、インフラは急速に整ってきました。しかしながら、こうした社会資本の整備は一時の「国民の祭典」のためにあるのではなく、さらなる人と物の交流を促進して「豊かな秋田」を築くために役立たなければなりません。岩手県や宮城県、山形県が進めた自動車関連産業の連携には乗り遅れた感じのする秋田県ですが、「環日本海時代」という視点で見れば優位性もあるはずです。「一周遅れのトップランナー」目指して、チャレンジしてみませんか。

by shouichiro_sato | 2007-09-18 21:50 | 産業振興 | Comments(0)  

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