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9月補正予算案

 秋田県は来月5日に招集する9月定例県議会を前にきょう、総額15億円余の9月補正予算案を県議会の各会派に内示しました。今回の補正は国庫補助事業の割当てが確定したものや緊急を要する県単独事業が主なもので、秋田中央道路整備事業に伴う国学館高校の事業損失に対して補償する費用、4億9000万円が計上されています。

 秋田駅の東西をトンネルで結ぶ「秋田中央道路」は平成12年から用地取得・補償事業が始まり、同13年に千秋公園前のお堀工事に着手。以来7年余りの工事期間を経て、いよいよ9月15日午後4時に供用開始されます。総事業費は約700億円です。しかし、事前の調査で工事区間が予想以上の水分を含む軟弱地盤であることが判明し、専門家からは危惧する声も出ていたとか。それが現実問題となってきました。

 今回の補正予算で補償対象となる国学館高校には、本校舎と講堂の壁クラック・建具の不具合に9885万円。同じ本校舎の床面レベルの調整に2億7836万円。工事期間中の仮校舎整備にに3億2811万円、合わせて7億532万円もの費用がかかるようです。当初予算等に計上してある補償費や工事請負差額を充てても不足する分、4億9000万円が今回の補正額です。施工業者はこの費用を負担する意思がないようで、寺田知事は自民党への説明の中で「今後は業者に対して訴訟も検討する」と述べていましたから、問題は長期化する模様です。

 さらに、広小路側などでも地盤沈下の現象が現れてきており、被害の拡大に伴う情報交換や緊急会議が開かれている他、中央道路に反対してきた市民グループは(きょう)県議会議長に陳情書を提出しました。建設計画が議論されていた当初から反対の声が強くあった中央道路は、供用開始後も大きな課題を抱えることになりそうです。ここは市民生活に影響が無いよう、しっかりとした調査と今後の対策を示していく必要があります。

 それにしても、地盤沈下が起きて補償費が支払われていたことを(数ヶ月前まで)知事自身が知らなかったとは驚きです。きょうも「情報公開が遅れ、遺憾に思う」と知事が陳謝していました。この際はそうした問題が隠蔽されてきた経緯についても、県議会で検証してもらいたいと思います。「秋田わか杉国体」直前だけに、県政の重要課題は全て12月議会に先送りされた感じでしたが、補償費の取り扱いがどんな議論になるのか注目されます。

by shouichiro_sato | 2007-08-29 21:33 | 秋田県 | Comments(1)  

Commented at 2007-08-30 23:43 x
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