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参院選と寺田知事

 秋田県の寺田知事は、毎週月曜日に定例記者会見を行なっています。自民党が惨敗して参院で与野党が逆転した選挙の翌日(30日)も、いつもの寺田節でした。秋田魁新報はきのうの朝刊・3面の小さな囲み記事で「無所属では何の役にも立たない」などと伝えていましたので、会見の詳細を見てみようと県のホームページから検索してみると・・・・・・。

 紹介するのは、私が興味をもった「記者と知事の応答の一部」(抜粋)です。
 
 (幹事社) 本県選挙区で現職の金田さんが敗れて新人の松浦さんが当選しましたが、この点についてどう思われるか。松浦さんに期待することをお願いします。
 (知事) 今日、鈴木陽悦さんと松浦さんが挨拶にいらしたんですけども、お二方に「無所属の議員では何も役にたたないので、国会は政党政治なので、その辺も考えてしっかり県民のために役にたってください」と率直にそういいました。(中略)金田さんについては率直言ってこれだけ票差が離れるとは思いませんでしたね。(年間)120日も(秋田に)帰ってきたと言うんですけども、あまり選挙に真面目っていうのは過ぎたるが及ばざるが如しで、(中略)頑張り過ぎっていうか、気の毒だと思います。

 (記者) 知事から見て自民党の政策に、今回、異を唱えたいというのはございますか。
 (知事) 率直に言いますけども、今の政治というのは、例えば業界のためとか、団体のためとか、企業のためとかという、そういう政治的な動きというのは、県民に対しての政治家ということになってくると必ずしも理解を得られない時代になってきているんですね。(中略)どちらかというと金田さんはクラシックなところがあったと思います。

 (記者) 自民党の現職を失ったということもあり、県政運営上の影響というのは何かありそうだとお考えですか。
 (知事) 特別ございません。

 (幹事社) 「金田さんがいなくなると大変になる」と(秋田市の)佐竹市長は言ってましたけど、市町村と県とでは事情が異なるんでしょうか。
 (知事) 私からこれ以上言うと金田さんに対して失礼なことになってしまうし、(中略)何々をしたとか、こうだああだということが秋田県にとって何かあったのかということなんです。(中略)別に国会議員を軽く見ているつもりは何もないです。要するに国会議員というのは、国政の中で論じられる問題(への対応)が一番大きな役割ではないでしょうか。(中略)金田さんは市町村のいろんなことを聞いておられたんだけども、(中略)一生懸命に団体や業界のサポート役を行なうことが、果たして政治って言えるんだろうかと。だから政治というのは非常にマルチなもので、ものすごくデリカシーで、幅が広くて、それから国民のニーズというのはすごく複雑だということは事実なんじゃないですか。

 これらの発言について、私は残念な気持になってしまいました。例えば、目の前で「無所属議員は役立たず」と言われた鈴木陽悦参議院議員は、同氏のブログに「知事発言に唖然」とした怒りのコメントを書いています。羽後町長時代に金田さんにお世話になってきた私も、「何も特定の団体のためだけにお願いしているのではなく、まちづくりに必要な政策と予算の確保を要望してきたのであって、一生懸命に省庁間の連絡に奔走してくれた努力に感謝している」のですから、知事にはそれぞれの役割分担の中で、お互いが連携して秋田県の発展に努力していくという姿勢を大事にしてもらいたいと思います。

 「寺田県政は国とのパイプがないし、自民党の応援がないから予算が来ないとか、そういうことをよく言われたんですけど、そうしたら、何が来ませんでしたかって私はよく言うんです。今までの国会議員の方々、どこにどういう誘致工場を持って来てくれましたか、とこう私は逆から聞くときもよくあるんですけどね」 「とにかく日本の国家を良くするということは、やっぱり国会議員の役割で、県政を発展させるというのは、知事を始め県議会の役割だと思うんでね」と、寺田節は続きます。

 県勢の衰退に歯止めがかからない現状にあって、県勢発展の牽引車として県民の負託を受けている市町村議員や首長、県議会議員、国会議員と力を合わせて努力するのが知事の使命であるはずなのに、姿勢と品位が疑問視される記者会見でした。

 もっとも寺田知事は、参院選の終盤で県内の政治に関わる多くの人々が東奔西走している先週の火曜日から週末まで、休暇をとって北アルプス登山を楽しんできたようですから、幸せな人ですね。

by shouichiro_sato | 2007-08-01 23:58 | 秋田県 | Comments(0)  

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