政府広報「あしたのニッポン」
2007年 07月 20日
我家は(僻地で)新聞の「夕刊」が翌朝に配達されるためか、昨日から話題になっていた「年金記録問題への対策」という新聞折込の政府広報(写真)を今朝、受け取りました。
確かに年金問題は国民の最大関心事であり、「政府として通知している。当たり前のことだ」(安倍首相)。「一刻も早く不安を解消するため周知徹底するのは、政府の当然の責任だ」(塩崎官房長官)という意気込みはわかりますが、参院選の真最中に与党の主張をそのまま掲載している広報のようで、いかがなものかと思いました。案の定、民主党はきょうになって「安倍内閣による公権力の乱用と選挙介入だ」として、安倍首相を公職選挙法違反(公務員等の選挙運動等の制限違反)容疑で、東京地検に告発しました。
この政府広報は第2号とか。6月25日に第1号が発行されており、その際のテーマは「税源移譲・定率減税について」(ただし、我家にはこの広報は見当たりません)。内閣府政府広報室によると、今回の政府広報は3000万部作成され、経費は2億円(ただし、全国への輸送料や折込料を加えると総経費は5億円以上か?)。普段から定期的な(毎月の)広報紙があったのならば理解できますが、参院選直前に続けて2回も準備されたのだとすれば、「選挙目当て」と非難されてもやむを得ないことでしょう。
それにしても、不手際や失言で国民の反発を招いたり、「法律」を盾にして説明責任を果たさない閣僚がいたり、内閣の中枢にいる一部の皆さんの言動にはガッカリしてしまいます。そうした事態を擁護している安倍首相の強気な姿勢も、国民感情からすると良い印象ではありません。これでは今まで一生懸命に頑張ってきた参院選の候補者、特に自民党の候補者には「気の毒だ」と言わざるを得ません。
一般論として、攻め込む野党に対して弁解するだけでは有権者は納得しないものです。「攻撃こそ最大の防御」であり、野党の政策より与党の政策の実効性を強調するべきなのに、テレビでの安倍首相の発言には(自信たっぷりに話しているのものの)何となく説得力がありません。それは何故か?。小泉前首相は党内の反対意見を抵抗勢力に仕立て上げ、国民のために闘っている印象をアピールしましたが、安倍首相は国会の会期末に(数の力で)度重なる強行採決を求めたように、慎重さを求める世論の動向とは乖離する方向でした。会期を延長して重要法案を成立させたといっても、「年金」や「格差」に対する国民の不満は解消されておらず、ここにきて一気に噴出してきた感じです。
結果的に、自民党の選挙対策は裏目に出ているように思われます。このまま野党に押し込まれて土俵を割ってしまうのか、それとも起死回生の技があるのか・・・・・・。明日からは参院選も後半戦です。
by shouichiro_sato | 2007-07-20 23:32 | 国政・時事 | Comments(0)