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バス路線の廃止

 少子化や過疎化が進む地域から、利用者の減少を理由にした「バス路線廃止」のニュースが目立ってきました。道路運送法の改正によって、事業者が路線を廃止する時は6ヶ月前までに国土交通省に届ければよいことになったこと(事前届出制)や、生活バス路線の赤字補填に補助金を支出してきた自治体の財政事情が厳しいことから、県内でも急激に進んできています。

 羽後町にも羽後交通㈱から3月28日付で路線の一部廃止の申出があり、町は6月定例町議会で町内の交通手段を検討する機関(羽後町地域公共交通会議)の設置に必要な予算を可決しています。バス路線の廃止_f0081443_22355238.jpg対象は湯沢営業所から羽後町方面に向かう全路線で、特に新成・明治、田代(私の住む上到米も含まれます)の両地域内は完全廃止の方針であり、今夜から住民への説明会が始まりました。(写真・田代農村総合センター)

 乗車状況調査によれば利用者が少ないことは一目瞭然であり、今までも(日中などに)誰も乗っていないバスが走っていることについて、「補助金を出してまで必要なのか」という声もありました。しかし、地域には高齢者や車を運転できない人も多くいる訳で、「病院」に通う人などにとっては欠かすことの出来ない交通手段でもあります。出席者の意見交換では、「廃止は止むを得ないかもしれないが、代わりの手段について考えてもらいたい」「この機会に、新しい地域の交通システムをつくろう」など、地域の将来を心配する声が多く出されました。

 人口の将来予測では日本一の減少率となる秋田県にあって、地域の過疎化はさらに進むでしょう。しかしながら、これからもその地域に住み続ける人々がいる以上、安心して暮らせる社会システムは絶対に必要です。費用対効果や採算性を重視する民間事業者に代わって、新たな公共サービスが可能かどうか。他人任せではなく、そこに住む人たちが一緒に知恵を絞っていく必要を感じた説明会でした。 

by shouichiro_sato | 2007-06-28 23:16 | 羽後町 | Comments(0)  

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