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「骨太の方針2007」

 中期的な経済財政施策の指針となる「骨太の方針2007」の素案が発表されました。

 それによると、「2008年度予算は歳出改革の努力を緩めず最大限の削減」、「地域間の税収格差の縮小を目指す。『ふるさと』への応援が可能になる税制上の方策検討」、「温室効果ガス削減で自治体に実行計画公表を要請、サマータイムなどの早期実施を検討」、「『地域力再生機構』の創設を検討」、「地方分権改革の総仕上げである道州制実現のため検討を加速」、「耕作放棄地を5年程度でゼロに」、「各大臣に所管する独立行政法人の整理合理化案を8月末をめどに提出するよう要請」、「秋以降に消費税を含む税の抜本改革を議論」などが、骨子になっています。

 素案は安倍首相の意向を汲んで、地球環境問題や地方税財政改革と地方分権などについて踏み込んでいるものの、拡がりつつある都市圏と地方の格差を是正する方策や国と地方の役割分担の中身は見えません。むしろ国の財政再建が最優先され、地方財政への一層のしわ寄せや国民負担の増加が求められる方向に進むようで心配です。

 「小泉改革」以降、官邸主導の予算編成の色彩が強くなり、その後ろ盾となってきたのが政府の経済財政諮問会議が決定した「骨太の方針」だっただけに、この素案をタタキ台にどのような議論が行なわれて最終案が作成され、閣議決定(6月20日頃)となるのか、注目されます。

 最近の安倍内閣は、5000万件もの年金記録が誰のものか特定できないでいる「年金」問題、松岡利勝前農林水産大臣の自殺で関心が高まっている「政治とカネ」問題などがあり、支持率が政権発足後で最低の35.8%(共同通信の世論調査)に落ち込みました。自民・公明の安定多数をバックにした強気の政権運営に国民は疑問を感じてきているのでしょう。その上、「骨太の方針2007」でさらなる格差拡大や負担増が進むとなれば、7月の参議院議員選挙への影響は必至。小泉政治を踏襲する手法には陰りが出てきたように感じます。

by shouichiro_sato | 2007-06-05 23:03 | 国政・時事 | Comments(0)  

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