ふるさと納税
2007年 05月 20日
ちょうどその日は、午後から統一地方選挙後初の全国知事会議が開かれましたので、どんな議論になるのか注目していました。結論は、住民税の一部を出生地などに納めることで税収の減る大都市圏に配慮して、「(税収の)偏在是正の課題の検討と一体的に議論すべきだ」と記述されたにとどまり、最優先で取り組む課題は「消費税5%のうち1%分を自治体に配分している地方消費税の拡充」であるとした意見書をまとめました。
「三位一体改革」により、地方交付税や補助金は大幅に減額され、変わりに移譲された税源も潤っているのは大都市ばかり。自治体間の財政力の違いがそのまま行政サービスの格差を生み出しているのが現状ですから、抜本的な地方財政対策を確立しなければなりません。財政運営のムリやムダを改め行財政改革を進めてきた地方でも、福祉や医療など長寿社会を支える財政需要に税収が追いつきません。そうした時にでてきた「ふるさと納税」。地方に住むものとしては歓迎しながらも、実際に税制として可能かどうか。目先のことばかりに気をとられ、国税と地方税の配分の均衡化や安定的な交付税の確保など、肝心の地方財政対策が先送りになるのではないか、と不安になってきます。
折りしも秋田県では、25億円の財源確保のために「子育て教育新税」構想を掲げ、県民の理解を得るために県庁挙げて膨大なエネルギーを費やしていますが、その何倍、いや何十倍もの地方交付税が減額されているのですから、地方を守るためにも、国に対して地方財政の確立に向けた行動を起こすことが急務です。地方自治を担当する菅義偉総務大臣は秋田県出身。秋田県知事は東北・北海道知事会会長、秋田市長は全国市長会会長候補ですから、これだけ人材が揃っている時に行動しないで、何時やるのでしょう。新税構想よりも、そうした戦略に英知を結集してもらいたいものです。
by shouichiro_sato | 2007-05-20 23:08 | 国政・時事 | Comments(0)