「あきた南米交流会」
2007年 04月 14日
同会はブラジルやアルゼンチンなど、日本からの移住者が多い地域に「本」を贈る運動をしているほか、南米から秋田県にやってくる研修生の支援やペルーにある天野博物館の創設者・故天野芳太郎氏を顕彰する活動を行っています。なかでも、年1回の講演会では南米に関わっている方々のお話を直接聞ける機会であり、南米経験のない私は楽しみにしている企画です。
きょうの講師は、湯沢市小野の清水広子さん(介護福祉士・31歳)。清水さんは旧雄勝町にある特別養護老人ホーム「平成園」に5年間勤めた後、(社)日本青年奉仕協会のボランテアプログラムに参加して、宮崎県諸塚村役場で1年間の地域活動を体験。再び地元に戻って医療機関に勤めたものの、どうしても国際的な奉仕活動に参加したいとの一念で、JICA(国際協力機構)に応募。厳しい訓練の後に2005年1月から今年の1月までの2年間、パラグアイ共和国のラパス日本人会に配属されて、高齢者介護の指導をしてきました。
講演のテーマは「日系移住地における高齢者福祉事業」。パラグアイの面積は日本の1.1倍で、人口600万人。そこに住む日系人は7000人です。配属されたラパスには600人の日系人がいたといいます。そこでの最大の課題は、日本語を継承する学習と高齢化してきた移住者への対応の二つ。清水さんは(現地では初めてとなる)高齢者介護の在り方について、実践と指導をしてきました。最初はホームシックになってインスタントラーメンを食べたいと思ったそうですが、なかなかどうして、笑顔を絶やさずにお話しする姿に逞しい感じがして、嬉しくなってしまいました。
特に会場の皆さんが大きく頷いたのは、「現地の皆さんは予想以上に元気だった。戦争時代を生き抜き、ジャングルを開拓してきた逞しさ。電気もなかった不便な生活が(良い意味で)脳を活性化してきたので、今の元気さにつながっていると思う」、というお話でした。なるほど、日本の高齢化社会の課題である認知症などの病気は、どちらかというと都市型・サラリーマン社会(特に管理型の職務)に多い症状のようにも思われます。自然のなかで汗水流して頑張ってきた人は、生涯現役。とても認知症などに取り付かれる暇はないのでしょう。講演会終了後の懇親会でも、専らこの話で盛り上がりました。
清水さんは現在、就職活動中。是非とも「現代版・小野小町」である彼女のお話を聞いてみてください。お薦めです。
by shouichiro_sato | 2007-04-14 22:34 | 今日の出来事 | Comments(2)

