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山梨日日新聞の盗用問題

 山梨県の地元紙である「山梨日日新聞」は、社説を執筆した論説委員長が他紙の社説を盗用していた問題の調査結果を発表し、同氏を懲戒免職にするとともに社長が引責辞任することになりました。

 「盗用」問題が発覚したのは、1月31日付けの社説「厚労相『産む機械』発言」が、前日(30日)の神戸新聞と西日本新聞の社説に酷似しているとの指摘があり、同社が2月6日に調査委員会を設置して実態の解明を進めてきました。その結果、2003年6月20日に論説委員長に就任して以来、同氏が執筆した社説にはさらに15本の盗用があったことも判明しました。

 同社の調査報告が掲載されているホームページを見ると、新たに盗用が判明した15本の社説について、「対照表」をつけて他紙の記事を盗用した内容を紹介していますが、あまりにも記述内容がそっくりだったりしていて、驚いてしまいます。文章を書く場合に、論旨や表現方法について様々な文献や新聞記事などを参考にすることは当然あることですが、引用した場合はその出所を明らかにしなければなりません。しかし、今回明らかになった表記は参考の域を逸脱していて、弁明の余地がないこともはっきりしました。

 ところで、インターネットで地方紙の記事などを検索することが好きな私は、時々似かよった「社説」に出会うことがあります。特に時事問題や国際情勢についての論説では、各地方紙には専門家は少ないはずですから、たぶん共同通信社などから配信される論説資料を参考にしていると思われる記事があります。こうした社説と各紙のオリジナル社説との違いははっきりしていますから、この際、各新聞社も執筆のあり方や掲載の方法について検証してみる必要がありそうです。

 山梨日日新聞は明日(21日付)から、社説や論説の在り方や執筆体制、チェック体制、報道倫理の徹底が済むまでの間、「社説」を休載するとのこと。社説のない新聞は、新聞の使命をどこまで果すことができるのか、気の抜けたビールのようで咽喉ごしが良くありませんね。

by shouichiro_sato | 2007-02-20 23:56 | 社会・話題 | Comments(0)  

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