えっ!服役後に無罪が判明
2007年 01月 26日
男性は02年11月に懲役3年の実刑判決を受けて服役。その間に、病気だった男性の父親は死亡しています。男性は婦女暴行未遂事件では「電話をしていた」というアリバイを主張したものの、取調官は取り合わなかったといいます。しかし、別の事件の容疑者が二つの事件を自供したのが昨年11月。富山県警はようやく今月19日にこの男を再逮捕し、男性は無実だったと判断しました。皮肉にも、県警が無実を証明する証拠として発表したのは、男性宅の固定電話の発信履歴だったといいますから、いい加減な捜査だった事が明らかになりました。権力の力は怖いものですね。
行方が分からなかった男性に23日夜、富山県警刑事部の幹部が面会して謝罪しましたが、「お金じゃない。3年間の時間を返してくれ」(読売新聞)と訴えたといいます。事件が事件だけに、逮捕されたことで何もかも失い、仮出所後も仕事を転々としたようですから、肩身の狭い想いで暮らしていたことでしょう。取り返しのつかない富山県警の失態。どういう形で責任を取るのか、注目したいものです。
この問題を受け警察庁は全国の都道府県警に「ち密な捜査の徹底について」と題する通達を出し、証拠の吟味や供述の裏づけ捜査を徹底するように求めました。当然のことでしょう。取調べの経緯や公判記録などを検証して、何故に真実が明らかでないままに懲役3年の実刑になったのか。世の中から「間違い」は無くならないでしょうが、ことが人権に関わる重要な問題だけに、警察はもちろん、検事、弁護士、裁判官など関わった皆さんも、冷静に振り返ってみるべきでしょう。
一日も早く男性の名誉が回復され、仕事や社会に復帰できるように願ってやみません。
by shouichiro_sato | 2007-01-26 21:02 | 社会・話題 | Comments(0)