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仕事始め

 今日は仕事始め。県内の官公庁では知事や市町村長の年頭の挨拶があり、新しい年がスタートしました。

 秋田県庁でも寺田知事が、「秋田の将来のために、使命感を持って仕事にあたってほしい。」と挨拶。さらに午後の記者会見では県財政の窮状に触れて、「私の報酬をはじめ、県職員の給与も引き下げる」決意を語り、「子育て支援と教育の充実」のために新たな県民負担を求める議論をすすめることも、強調しました。

 私の知っている県職員の多くは、日頃から使命感にあふれる方たちばかりですが、何をもってこうした言葉が出たのか理解に苦しみます。たぶん、低迷する県勢から未だに脱出できない「焦燥感」があるのでしょうか。今日の知事の表情には何となく「疲労の色」がにじみ出ていました。そういえば昨日のABS秋田放送「新春特別番組」。K2に日本人女性として始めて登頂に成功した秋田市出身の小松由香さんとの対談でも、元気がありませんでした。

 それには、この10年間で取り組んだ政策が期待したほど成果をあげていない実態があります。例えば今朝の秋田魁新報には、県が新年度に食品加工業の育成を目指して、庁内に専任チームの設置を目指して調整していることが紹介されています。平成17年の東北6県の食料品出荷額等(工業統計速報)によると、秋田県は987億円。東北最高は宮城県で5737億円。秋田の次に低い福島県でさえ2736億円です。秋田県はそれらの3分の1から6分の1。

 平成16年の東北地方の農業産出額(農林業センサス)を見ると、トップは青森県で2953億円。次いで岩手県2619億円、福島県2568億円、山形県2140億円、宮城県2101億円です。ここでも秋田県は最下位の1788億円。塩害などの災害があって米作が不良だったとはいえ、米の占める割合が低い青森県や岩手県が上位を占め、宮城県は加工業で農業産出額の2.5倍以上。とても「農業県秋田」と自慢できない現実があります。

 県では平成13年に県政の目玉政策として、特定の政策課題に取り組む「チーム21」を各部門に設置し、「食品産業振興チーム」も発足しました。平成22年度には食料品の製造・出荷額を2500億円に引き上げる目標を掲げましたが、たった3年後の15年には「一定の役割を果たした」としてチームを解散しています。計画書を作っただけでその後のフォローは無し。これでは何のための「特命チーム」だったのか? 団塊の世代が管理職の年代になってきて、「ポスト不足を補う役職の確保」と皮肉られても弁解できない、お粗末な状況です。

 この際、「使命感を持って仕事にあたってほしい」のは、職員よりも為政者自身でしょう。新たな県民負担を求める前に、大手ゼネコンに独占されている大型公共事業のあり方を見直すことに県民の理解を求めることや、市町村合併によって役割がなくなってきた県の出先機関を早期に削減するために知恵をしぼるなど、「厳しい財政なら創意工夫して、効果的に運営してもらいたい」という県民の願望は強いのです。県政を揺るがした食糧費問題は解決したかもしれませんが、その後の県政運営や発言には、地方を切り捨てて財政再建を進めようとする国の政策に追随した姿勢ばかりが目立って、県勢は衰退するばかりではありませんか。

 「生活者の視点に立って」という10年前のキャッチフレーズを忘れずに、県民から託された使命を果たしてくださいよ、寺田さん。

by shouichiro_sato | 2007-01-04 22:45 | 秋田県 | Comments(0)  

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