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「夕張市」を見捨てるな

 1960年(昭和46年)に人口が約117,000人だった北海道夕張市は現在、当時の十分の一程の約13,000人。国のエネルギー政策の転換があったとはいえ、これ程までに人口が激減したなら、何もかも見通しの立たない状況になってしまうことでしょう。

 「炭鉱」や「夕張メロン」「映画祭」、数々の映画の舞台で有名な夕張市が、「地域再生」を懸けて取り組んだ観光事業も、バブルの崩壊後は市財政の足を引っ張り、同市の18年度の当初予算は110億円程度なのに、債務は何と600億円以上とか。今年6月、表面上は黒字とされていた市の「赤字隠し」が明らかになり、同市は既に財政再建団体になることを決めています。

 そして、先月示された今後20年かけて360億円を返済する計画では、負担増とサービスの切捨てを盛り込んだ財政再建案で、市民に衝撃を与えました。市民税や下水道料金、保育料などの値上げをする一方、養護老人ホーム、図書館、美術館、市営球場などの廃止。小学校7校、中学校4校もそれぞれ1校に統合。市職員を半減し、議員定数も来春から市では全国で最も少ない9人に改正。市長報酬も70%カットで全国最低。市外への転出者も増えているそうですから、大変な事態です。

 調べてみると、当初予算の数倍もの借金を抱える自治体は北海道の旧産炭地に多く、高齢化や人口減少が進んでいる状況は夕張市と似かよっています。確かに、会計操作で財政危機を隠し続けてきた同市は批判されるべきですが、背景には同地域の産業構造が大きく転換したために、道も国も起債(借金)申請を認めることで、夕張市の観光を柱とする政策を容認してきました。しかし、救済を求める同市に対する国の対応は厳しいもののようです。今後さらに増える可能性があるこうした自治体への「新たな再建法制」の検討も始まっていますが、市民生活への影響を極力抑えなければ、「地域崩壊」の危機さえ心配されます。

 「地方の時代」という掛け声ばかりで、疲弊していく地方の窮状に目を向けないようでは、とても先進国とは言えないでしょう。

by shouichiro_sato | 2006-12-14 23:47 | 国政・時事 | Comments(0)  

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