やっぱりおかしい「新税」構想
2006年 12月 13日
知事は、「子育てや教育を社会全体で支える仕組みを、県民総参加でつくる必要がある」と述べた上で、「徹底した行財政改革を進めたとしても、県財政は厳しいまま推移する。こどもを安心して産み育てることができ、教育の機会が平等に確保されなければならない」と、理解を求めました。
しかし、「子育て支援」と「教育の充実」について、今後10年間で重点的に取り組むとした施策の中身を見ると、必要経費の大半は県立高校の改築や統廃合に関わる経費などの「ハード事業」であり、こうした整備費が全体の約6割を占めていることが明らかになりました。これでは、県独自の政策で子育てや教育を最重要課題にするといっても、『まやかし』と批判されるはずです。何故ならば、そもそもハード事業は県財政とのバランスを考えながら計画的に実施していくべきものであり、一般的な行政施策の範囲だからです。
議員の質問に答えた知事は、「これから県民の意見を聞いて慎重に進めたい」と答弁しましたが、「新税の導入ありき」を前提とした県の姿勢が見え隠れする議論の展開と受け止めました。これではいけません。例えば、先頃報告された「県住宅供給公社」の問題でも、南ヶ丘の分譲地を値引きして民間に一括譲渡する方向のようですが、この場合の県の損失はそのまま県民の負担(損失)になるものの、施策を執行してきた県当局の責任は曖昧です。
「大王製紙問題」の訴訟敗北などでも、県負担が増加した責任問題は結局ウヤムヤになっていますが、ハード事業を確保するために県財政が厳しいからといって、それを新たな県民負担に求める発想は、「生活者の視点」で県政改革に取り組むと公約した人が、やるべきことではありません。
そもそも、県財政がそれほど厳しくなった理由を、しっかり検証することが大切ではありませんか。
by shouichiro_sato | 2006-12-13 19:43 | 秋田県 | Comments(0)