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岐阜県が背負った荷物

 「県庁の裏金」、「瑞浪市のいじめを苦にした女子中学生の自殺」、「石原産業が産業廃棄物を大量に不法投棄」など、このところ岐阜県を舞台にした問題が全国ニュースに度々登場し、県民は「イメージダウンも甚だしい」と、困惑しています。

 今日の地元紙・岐阜新聞では、石原産業四日市工場(三重県)が瑞浪市稲津町に約1万トンものフェロシルトを持ち込みながら、未だに撤去作業には未着手の状態。県内にはこうした埋立て場所が13ヶ所もあり、関係する市民が「企業による犯罪行為」だとして、早期の全量撤去と企業の責任をさらに追及していくと報じています。

 一方、梶原拓前知事ら元県幹部職員8人は昨日までに、裏金の返済金として合計8700万円を県口座に入金したものの、OB職員に求められた返済金額は8億7000万円。残り、9割の目途は立っていない模様です。昨日、名古屋空港から岐阜市内の宿舎へ移動する時に岐阜県庁の前を通りましたが、ITの最先端技術を導入して屋上に多くの通信アンテナがあるインテリジェントビルの庁舎と、街路樹が見事な正面玄関へ通じる幅広い直線道路も、どことなく寂しく感じられました。

 中京地域では、トヨタ自動車が中間決算で史上最高の売り上げと利益を発表し、三重県亀山市にあるシャープの液晶テレビ工場は更なる増産体制に入るなど明るい話題も多くあります。しかし、行政の「前例踏襲・事なかれ主義」や企業の「利益優先・モラルの欠如」が露呈したことは、それらに水を差すことになり、残念です。一日も早く信頼の回復に努め、責任を果すべきです。

 最近の大企業は、大地震などでのリスクを最小限にするため国内への拠点分散を進める例がみられますが、政治の世界では首都機能移転の話題も立ち消えとなりつつあり、地方分権の掛け声とは裏腹に、中央集権が一層進んでいるような実態があります。首都移転の候補地で有力だったのが岐阜県の東部地域と福島県の南部地域でしたから、両県では皮肉な不祥事が起きてしまったものですネ。

by shouichiro_sato | 2006-11-07 21:19 | 出稼ぎ | Comments(0)  

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