福井県農業試験場を訪ね、「水稲の育種」について品種開発研究部長の小林麻子さん(農学博士)から説明を受けました。(写真)

(写真・品種育成について説明する小林さん。福井県農業試験場)
秋田米の代表銘柄「あきたこまち」が誕生して今年で40年。1984年に新品種登録されるまで、その源は福井農業試験場で1975年に交配された種子から始まっています。F2世代種子を秋田県農業試験場に送り、384株から81株へと選抜が行われて育種が始まりました。このように品種の育成には長い時間と想像を超える選抜の繰り返しがあって、初めて誕生することを再認識しました。
同試験場は1956年に「コシヒカリ」を誕生させるなど、水稲の育種歴は77年で、その間に43品種を育成。そして2017年にはポストコシヒカリの品種として「いちほまれ」を開発。交配で得た20万種の種子から選抜を重ね、100種で収量・食味試験を行い、「10年の歳月がかかった」とのこと。小林部長は自ら関わった経緯にを紹介しながら、育種は「過去からの積み重ね」と「横のつながり」で仕事をすると述べています。