農林水産省の発表によると、今年6月末時点の主食用米の民間在庫量は156万㌧で、前年から約2割となる41万トン減り、統計を取り始めた1999年以降で過去最少となっています。昨年産米の高温障害の影響やインバウンド消費が牽引する需要の増加が背景にあり、6月までの一年間の主食用米の需要は11万㌧増の702万㌧とプラスに転じたことや、食料品の値上がりが続く中でコメの価格上昇が抑えられ「値ごろ感」があったことも要因だと説明しています。
一方、小売りの現場には供給不安が広がり価格が上昇しており、購入を制限するスーパーも出てきたとか。外食チェーンの関係者は「コメの不足感は出ていない」が、「安いブレンド米をコンビニなどと取り合っている」と報じられています。ただ、農林水産省は「在庫は十分確保されている」と消費者に冷静な対応を呼びかけています。
しかし、今年は昨年の夏以上に東日本や西日本で猛暑の日が続いており、品質の低下と流通量が落ち込む可能性があります。在庫減少が長引けば高値になることも考えられます。JA等が業者に卸す際の「相対取引価格」は6月に60㌔当り1万5865円と、約11年ぶりの高値となりました。