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40代の男性が自殺

 兵庫県から戻ったら、悲しいニュースが待っていました。近くに住む40代の独身男性Tさんが先週、自殺したというのです。彼の同級生の男性Sさん(結婚して子供もいましたが)も昨年、自ら命を絶っていますから、集落の中核になっている担い手が続けて亡くなる異常事態。ショックです。

 二人とも明るい性格で、青年会活動や集落の行事には積極的に参加していました。しかし今思うと、悩みを打ち明けることが出来る、なんでも相談できる友人・親戚がいなかったのでしょう。自殺の原因は特定できませんが、亡くなった後で聞こえてくる話は、「死ななくてもよかった」「皆で相談すれば解決できる」「何があったか全く解らない」など、二人の悩みや苦しみが周囲に伝わっていなかった共通点がありました。

 実は、Tさんのご両親は今から11年前、自分たちの病気と介護生活の将来を案じて二人とも死去。Sさんの母親も2年前、病気を苦にして亡くなっています。私も当時、高齢化社会に備えて病院の整備や介護施設の拡充をはかってきたつもりですが、身近な所であった出来事に「虚しさ」を覚えたものでした。特にTさんの母親は、若いうちに舅が病気で倒れ、以来30年近くも食事や排泄の世話を続けて町から表彰された人でしたから、今度は遠慮なく福祉サービスを利用してもらいたいと考えていた矢先でした。

 ご両親が亡くなってから一人暮らしだった彼ですが、この11年間は隣りの地区に嫁いだ妹さんが作ってくれる弁当を持って、町内の会社勤務。誰もが頑張っていると思っておりました。しかし実際は、今春に退職。その後は仕事を探す日々だったようです。私自身、「灯台もと暗し」でした。「でしゃばる」のも迷惑だったかもしれませんが、今となっては「知らなかった」ことも心残りです。

 自殺予防の相談機能が充実してきたといっても、まだまだ現実は少なくなりません。特に、金銭・経済問題に起因する場合の対処の仕方について、「大事なのは命」だとアドバイスしてくれる人がいないと、「命を捨てて楽になる」選択になりがち。「お金が全て」という価値観が蔓延してくる中で、「命」が軽んじられているようで残念です。「皆で助け合っていく社会」を崩壊させてはいけません。自らの反省も込めて、自分に言い聞かせました。

 今日は「体育の日」でしたが、北朝鮮が地下核実験を実行するなど朝鮮半島情勢の雲行きは不穏の兆しで、私は外の天気とは裏腹に、暗くて厚い雲に覆われているような一日でした。合掌。

by shouichiro_sato | 2006-10-09 17:00 | 今日の出来事 | Comments(0)  

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