東京都国立市に新築していた分譲マンションが、建物周辺への影響を理由に解体されるようです。来月には契約者に引渡しされることになっていましたが、建設事業者の積水ハウスは「建物周辺への影響に関する検討が不十分だった」として、今月3日に事業の中止と解体を決定し、翌日に国立市へ届け出ています。
「周辺への影響」とは、どんなことなのでしょうか。
同マンションを巡っては、着工前から「富士山が見えなくなる」といった景観への影響を懸念する声があり、住民や市と協議を重ね、高さを下げるなどの設計変更を2回行うなど、地域への配慮をしていました。しかし、建物が完成に近づき現況を確認したところ、「富士山の眺望に与える影響を再認識した」とのこと。
建設への手続きや建築に関わる法令違反などはなく、購入者も入居を楽しみにしていたマンションが全く白紙に戻るとは・・・。完成したマンションを周辺からの景観を理由に解体するという、あまり聞いたことがない判断であり、今後の様々な施設建設に与える影響も出てくることでしょう。