宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、昨日午前9時22分、国産新型ロケット「H3」の2号機を種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げ、目標の軌道投入や搭載した衛星2機の分離にも成功しました。
H3は現在主力の「H2A」の後継機として、衛星の大型化や複数の小型衛星を連携させることができるロケットとして、JAXAと三菱重工が2千億円超をかけて共同開発。ただ、新たな主エンジン開発の難航や昨年3月の一回目の打ち上げで、1段目エンジンは作動したものの、2段目エンジンに点火せず、失敗。7月には能代市の実験場で行われていた開発中のイプシロンSの2段目エンジンが、燃焼試験中に爆発する事故もあり、国産ロケットの開発は難航していました。
H3は2段式の液体燃料ロケットで、新開発したエンジンの推進力は約1.4倍。2号機は2段目エンジンの点火装置を改良しています。
今後は機体の大型化とコスト削減という、相反する課題に挑む日本のロケット開発。H2Aでは打ち上げコストが約100億円なのに対し、H3は半額の約50億円を目標にしており、3号機以降ではコスト削減に挑むとしています。