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農業試験場に期待する

 「きて!みて!ふれて!明日の農業」をテーマに、今年の農業試験場参観デーが9月1日~2日に行われました。同試験場が開発したメロン、スイカ、エダマメ、トルコギキョウ、酒造好適米などの「オリジナル品種」につてのパネル展示と試験圃場の公開。近い将来に実用化が期待できる試験研究に関するセミナーや、農産物の生産全般についての質問に答える相談所も開設されるなど、多くの関係者で賑わっていました。

 農業試験場の歴史は古く、明治24年に秋田市上中城町に創設されてから、河辺郡牛島町、南秋田郡寺内村八橋、同旭川村泉に移転。そして同所で、昭和11年に試験場参観デーが始まります。そして昭和38年、秋田市仁井田へ移転してからは「農業大学園」が併設されるなど、充実した試験研究が一層進み、秋田米の代表品種「あきたこまち」もここで誕生しました。私にとっても農業近代化ゼミナールの活動拠点が同敷地内の「農業研修センター」にあったことから、思い出の多い所です。

 平成12年、河辺郡雄和町(現代地・秋田市雄和相川)に新築移転。敷地面積50.0ha(うち圃場面積26.0ha)、本館面積9,616㎡、ガラス温室36棟、付属舎34棟という東北屈指の施設が整備されました。今春には県の機構改革により、名称が「秋田県農林水産技術センター農業試験場」となっています。ただ、私は雄和に移転してから立ち寄る機会をもてなかったため、このたび始めて施設見学を兼ねて訪ねてみました。

 なるほど、環境も施設もすばらしいものばかりであり、ここで秋田県農業の明日を担う技術開発や試験研究が行われていることに、私は気持ちが高まるものを覚えながら場内を一巡しました。ところが、残念なことに施設は立派でも、その中の展示や公開の現場に活気を感じることができません。(2日の午後で皆さん疲れていたのでしょうか?) 確かに、研究テーマは今後の農業経営に貢献するものでしょうが、秋田の農業に夢が出てくるようなグローバルな展示や企画、農業試験場が目指している当面の目標のようなものが見えてこないのです。それは即ち、農家にとってもこれからの夢をどう描けばよいのかわからなくなってしまうようで、私には物足りなさが残る結果となりました。

 何故にそうなのか。研究スタッフはどう考えているのか。農業県秋田を支える拠り所と期待するだけに、今後、しっかりと検証してみたいと思います。

by shouichiro_sato | 2006-09-07 18:07 | 産業振興 | Comments(0)  

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