一昨年4月、東京都池袋で車が暴走し、母親(31歳)と長女(3歳)が死亡し、9人に重軽傷を負わせた交通事故。東京地方裁判所は過失運転致死傷罪に問われていた被告の男性(90歳)に、「ブレーキとアクセルの踏み間違えに気付かないまま、車を加速させ続けた過失は重大だ」と指摘し、禁固5年の実刑を言い渡しました。
被告は車の異常などが原因であるとして無罪を主張していましたが、判決は「車に異常や故障の痕跡は無く、仕組みや構造からも考え難い」と否定。「被害者らの身体的、精神的苦痛も大きく、結果は甚大だ」と述べています。検察側は「加齢による認知能力などの衰えを認識していたのに運転を続けた」とも、指摘していました。
この暴走事故をきっかけに、高齢運転者への対策が問題提起され、運転免許証の自主返納が増えたほか、免許を更新する時の技能検査や講習を義務付ける法律改正も行われています。