警察庁は交通マナーをまとめた教則を改正し、信号機がない場所での横断について「手を上げるなどして運転者に横断の意思を明確に伝える」ことを、歩行者の心得として43年ぶりに盛り込みました。「手上げ横断」は1978年に教則から削除されていたのです。
1972年に教則ができた時には、横断の仕方について「手を上げて合図をし、車が止まってから渡る」などと定められています。しかし78年の全面改正で手上げ横断は削除され、「立ち止まり、左右をよく見て確認する」「車が近づいているときは通り過ぎるまで待つ」に変更されていました。
道路交通法では横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいる場合、一時停止しなければならないと定められており、停止しなければ「横断歩行者妨害」です。子供時代の交通安全教室では「手を上げて横断歩道を渡りましょう」と指導されてきましたから、手を上げるのが当然と思っていましたが、実際は「通過待ち横断」がマナーになっていたのですネ。
死亡事故の中で最も多い歩行中の事故を減らすには、歩行者にも自ら横断の意思表示を明確にし、安全確保を促すことが必要です。