関西電力と丸紅が秋田市の秋田湾産業新拠点に計画していた大規模な石炭火力発電所の建設を断念したことが明らかになりました。
大王製紙が進出を予定していた飯島の埋立て地(県有地)に、両社が発電所2基(出力計130万kW)を建てる計画が発表されたのは2015年。24年の運転開始をめざし、総事業費は3千億円規模。約250人の雇用を見込んでいました。
しかし、事業者の環境影響評価に対して2018年、環境大臣が「二酸化炭素削減の具体的道筋が示されないまま容認されるべきでない」との意見を示し、経済産業大臣も一層の二酸化炭素削減に努めるよう勧告しています。
さらに昨年10月、菅義偉首相が「50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」との目標を表明。脱炭素の実現に向けた機運が高まっており、今後はさらに規制が強化される可能性があるとのことから、建設しても採算が見込めないと判断したようです。両社は今後、引き続き同所でのバイオマス発電などの可能性を探るようです。