菅義偉首相の長男が総務省の幹部を繰り返し接待していた問題は、昨年12月10日の会食時の音声テープが明らかになったことで、衛星放送行政が歪められたのではないかという疑惑が深まっています。
放送事業会社の子会社の役員である長男は、総務省から衛星放送事業者の認定を受ける「利害関係者」に当たり、国家公務員倫理規程が禁じる「接待」だった可能性もあります。武田良太総務大臣は事実関係の調査を約束するとともに、総務省局長ら2人を更迭しました。
長男は菅首相が総務大臣だった時代に秘書官を務めており、幹部職員との接点があることから、民間会社に勤務後も「首相の長男だから総務省幹部も忖度したのでは」との見方が広がっています。
ところで、接待問題を報じた週刊文春では、記者数人が接待の場所となった飲食店に客として入店しており、子会社社長や長男と総務省幹部との会話を録音していたとのこと。衛星放送に絡む話題について「記憶にない」としていた幹部も、「今となっては発言があったのだろうと受け止めている」と認めざるを得ませんでした。