西馬音内本町の柴田貞一郎さんが10日に逝去し(享年81歳)、きょう葬儀が行われました。柴田さんは家業の林業経営に精励しながら、昭和60年(1985年)から国指定重要無形民俗文化財「西馬音内盆踊り」保存会長として、継承や後継者育成に尽力してきた町文化功労者。一昨年には秋田県芸術文化章も受賞しています。
昭和60年は羽後町の誕生30周年で「地域興し」運動が始まった年であり、町の大きな文化遺産である西馬音内盆踊りが注目されてくる時でした。県内外からの公演依頼も多くなり、踊りや囃子をしっかり伝承するために東奔西走。各地で開かれる国民文化祭への参加、アメリカやフランスなどでの海外公演、平成15年には同保存会が「サントリー地域文化賞」を受賞し、一緒に喜んだことが思い出されます。
ご自宅が盆踊り会場である本町通りの真ん中にあり、道路を挟んだ真向かいは西馬音内盆踊り会館。毎年、盆踊り期間中は町にくるお客さんを柴田家の2階で接待いただき、いつもお世話になってきました。例年であればそろそろ盆踊りの準備が始まる頃ですが、今年は新型コロナウイルスの問題で中止。何とも残念な時に、柴田さんが黄泉の国に旅立たれるとは、痛恨の極みです。
午前10時40分、ご自宅から出棺される時には西馬音内盆踊り会館前に揃った保存会の囃子方が、太鼓と笛で葬列を見送っています・・・・・・合掌。