47都道府県の農業生産額でトップは北海道で、2番目は茨城県です。茨城県がこれほどの農業県であったとは認識不足でしたが、現場を訪ねて納得するものがありました。
秋田県農業を応援する議員連盟の調査で訪問したのは、茨城県農業総合センター(笠間市)とさつまいも生産・加工・販売会社の株式会社鹿吉(鉾田市)。農業総合センターは生物工学、園芸、農業の各研究所と病害虫防除部、特産指導所、農業大学校等で構成されており、新品種や栽培技術の開発に取り組んでいる、同県農業の中心的機関。センター長は挨拶で「儲かる農業を目指している」と言明。特に農産加工指導センターでは農産物の付加価値を高めて6次産業化を推進するため、オープンラボラトリー(開放実験室)を設けて様々な商品化に向けた支援を実施していました。
鹿吉(代表取締役・吉田喜一さん)は耕作面積が30ha、さつまいもの年間収量は1000㌧。さらに加工などでは2000㌧ものさつまいもを取り扱う農業法人。吉田さんは3代続くさつまいも農家ながら、平成24年に法人化して加工や販売に取組み、さつまいもの素材を最大限に活かした加工開発で急成長し、東南アジア等への輸出も拡大しています。
さつまいもの品質を一年間安定した状態で保持する「キャリング貯蔵」の芋蔵や、最新の急速冷凍や焼き芋等の加工施設もメーカーと共同開発するなど、意欲あふれる姿勢に感銘しました。全国のさつまいも生産量第一位は鹿児島県でも、その大半は焼酎用や澱粉用。茨城県は栽培面積では2位でも青果食用では全国一、「ほし芋」では国内生産の9割が茨城県産です。