イージス・アショアの配備を巡る問題で、防衛省が調査対象としたにかほ市の国有地を見てきました。調査報告書では十分な面積がありながらも「県道が冬期間通行止めになるために不適」「鳥海山が遮蔽になり不適」とされた2ヶ所です。
結論からいうと、国有地に入る林道があり、入口につながる別の県道は除雪がされており冬期間も通行可能。通行止めになる県道は狭隘で未整備、国有地とは全く関係のないものでした。また、鳥海山は南側にあり、レーダーからの仰角は約10°で支障なし。ただ、2ヶ所とも標高が約400m程で、西側には標高500m程の仁賀保高原の尾根がある。レーダーの位置からは日本海が見えないことが問題だと感じてきました。
一方、不適とされた理由が津波対策や保安林であるという青森県の国有地と、岩木山が遮蔽になるとされた同県の陸上自衛隊演習場は、周囲に人家もなく十分な保安距離や緩衝地帯が確保できること。演習場は敷地が広いためにレーダーの位置を変えることで、仰角が低くなることが判明しました。こうしたことから、防衛省が検討した20ヶ所の国有地の調査内容への信憑性が大きく揺らぐことになっています。
きょう開かれた県議会予算特別委員会の総括審査で、佐竹知事は「新屋を候補地としたそれ以前に戻って、(20ヶ所の国有地の)新屋と同等レベルの詳細な報告が必要だ」と述べています。
(写真・標高約400mにある国有地の入り口から西側を見ると、仁賀保高原にある風力発電施設や牧場の建物が見えます。その場所の標高は約500m。日本海を見ることはできません。にかほ市の鳥海山麓で6月21日)