この3月に全線開通した釜石自動車道と整備が進む三陸自動車道を通って、昨日は岩手県宮古市まで行ってきました。東日本大震災の大津波で被災した沿岸部の復興は進み、港や魚市場等の施設はほぼ再建され、新たに設置された「道の駅・みなとオアシスみやこ」は多くの人で賑っていました。
この地域の海岸一帯は「陸中海岸国立公園」として、当初は岩手県普代村から釜石市まで指定されていましたが、のちに青森県久慈市から宮城県気仙沼市まで区域を拡張。さらに大津波で指定区域が大きな被害を受けたことから、復興と被害の伝承を目的に平成25年5月、青森県八戸市の蕪島(ウミネコの繁殖地として有名)から宮城県の牡鹿半島(金華山が有名)までを編入し、面積1万2212haで三陸復興国立公園に名称を改めています。
(写真・三陸を代表する景勝地、宮古市の浄土ヶ浜。遊覧船が運航しています)
ところで、整備が進む三陸自動車道は海岸から離れた山間部を通るためにトンネルが多く、地域の魅力であるリアス式海岸などの自然美を眺めることができるのは極一部。帰路に近くから海を見たいと国道45号線を通ってみたところ、海に近い入江の部分などには高さが5mもある防潮堤が整備され、海側は白いコンクリートの壁ばかりが目立ちます。
津波災害から地域を守ることはもっとも重要なことであるものの、海の恵みや素晴らしさ、自然の美しさに触れる場所、万が一の場合の避難対策など、ハードとソフト両面が充実している国立公園になってほしいと思ってきました。