行政機関や企業は一定の割合以上の障害者を雇うことが法律で義務づけられていますが、厚生労働省の調査によると、中央省庁の8割に上る27行政機関で、合わせて3460人が水増しされていたことが明らかになりました。障害者手帳を持っていないのに、健康診断や本人の申告に基づいて障害者として数えているケースがあるということです。
国の33行政機関のうち不正算入が一番多かったのは、1020人の国税庁で、国土交通省が約600人、法務省が約540人と続いています。厚労省は昨年6月1日時点の障害者の雇用状況は33行政機関で約6900人、当時の法定雇用率(2.3%)を上回る2.49%と発表していましたが、実際は半減している状況でした。
秋田県でも雇用している障害者のうち、知事部局で73人、教育委員会で92人、警察本部で10人からは障害者手帳や診断書を確認しないで雇用率に算入していたことが分かり、詳しい調査を進めています。
民間企業には障害者の雇用状況を報告書として提出させ、雇用率が満たない場合はペナルティーがあるのに、行政機関は自らのチェックが疎かでした。厚労省の指針(ガイドライン)と関係機関への通知で(対象とする障害者の)表現が微妙に違うなど、拡大解釈につながったとの指摘もありますが、即急に実態の解明が必要です。