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「しっかりしてください」

 失礼ながら、「一体、何をやっているんだ」と思ってしまいました。

 厚生労働省の「がん診療連携拠点病院」に、秋田県が推薦した13病院すべてが指定を見送られたことは、先月29日の新聞で知っていましたが、昨日の記者会見で寺田知事は「見通しが甘かった」として、10月まで再推薦する意向を示したことについてです。厚生労働省は平成13年度から、医療サービスの地域間格差を是正するため、各都道府県に1ヶ所のがん拠点病院と、全国を370程度に分けた二次医療圏ごとに1ヶ所の地域がん拠点病院の整備を目指しています。今年2月には、がんの専門医の人数や相談支援センターの設置などの、指定要件を明確にした新たな指針をつくっており、28日に開かれた厚生労働省の検討会では、「秋田県が十分な調整や検討を行ったか疑問」との声があったことも報道されていました。

 指定漏れの理由には、二次医療圏で複数の施設が推薦されたり、指定要件を満たしていない施設があったりと、推薦以前の候補選定に問題があったようです。県内唯一の特定機能病院である秋田大学付属病院も指定から漏れていますから、「一体、県当局は何をやっているの?」と言いたくなってしまいます。かつては脳卒中などの成人病克服のために、脳疾患の研究と手術・治療で全国に名をはせていた本県の医療ですが、今日、最も注目されているがん医療の体制についてこのような状況では、これからが心配です。

 県立病院の少ない秋田県では、このところ、厚生連の病院改築に県負担を増額し、積極的に施設整備を進めていますが、一方ではそうした病院でも医師不足が慢性化してくるなど、医療の充実とかけ離れた現実があります。「ハコ物造っても魂入らず」では困ります。「それぞれの大学や病院の問題だ」としないで、知事を始めとして県庁の健康福祉部の皆さんには、県民の命と健康を守っていく使命感に燃えて、頑張っていただきたいと思います。

 尚、がん拠点病院はこれまで空白県だった山梨、長野、京都、広島、鹿児島の5府県で解消され、残る所は兵庫県と秋田県のみ。東北の各県は昨年度までにすべて指定されていました。

by shouichiro_sato | 2006-08-01 21:57 | 秋田県 | Comments(0)  

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